クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

曲、作品

マーラー 交響曲第8番「千人の交響曲」2

N響の記念すべき定期演奏会第2000回公演が、いよいよ迫ってきた。今から37年も昔の1986年、第1000回記念公演を聴いた人間としては、感慨深いものがある。そもそもマーラーの交響曲第8番を生で鑑賞するのは、いつだってどんな時だってスペシ…

ヴェルディのレクイエム

前回ブログでも触れたとおり、私の「ヴェルディのレクイエム」初鑑賞は、今から40年くらい前(すっげー昔!)、高校3年生の時、アルベルト・エレーデ指揮の東京フィル公演だった。エレーデと言えば、mathichenさんもコメントしてくださったとおり、日本オ…

ニールセン 交響曲第4番「不滅」

交響曲などクラシック作品には、標題が付いている物が少なくない。作曲家自身が付与した物、他人が付けた物、なんとなくいつの間にかそのように呼ばれるようになった物、様々だ。作曲家自身が付与していない物について、「作品タイトルとして扱っていいのか…

メサイアの慣習

ヘンデルのメサイア演奏をコンサート会場で聴くにあたり、謎の慣習があることをご存知か。それは、第二部の最後、誰もが知っている有名な「ハレルヤ・コーラス」の時、「起立する」というものだ。 立って聴くんだってさ。マジかよ。 なんでもこの曲がロンド…

ショスタコーヴィチ 交響曲第5番

広島に遠征してフェドセーエフ指揮の広響を聴いてきたのが、10日前のこと。その後、広島ではクラスターが発生し、感染状況が悪化。Go to キャンペーンが全国に先駆けて一時停止というニュースが駆け巡った。演奏会のタイミングとしては、ギリセーフで良か…

ドヴォルザーク「新世界より」

昨日7月18日、チョン・ミョンフン指揮の東京フィル定期演奏会。シベリウスのヴァイオリン協奏曲とドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」というプログラムの公演は、本日の東京オペラシティホールの公演と共に、全席完売だったとのこと。 へえー。そ…

ラ・ボエーム

昨日のクリスマス。自室でオペラのビデオを観た。 クリスマスにちなんだオペラと言えば・・もちろんボエームだ。 この定番中の定番とも言える名作オペラ。初心者向けだし、これまでにも何度も観ている。私にとっては、椿姫やカルメンなどと同様、今さら改め…

威風堂々

ロンドンの夏の風物詩、BBCプロムスの最終日を飾るとっておきの作品、エルガーの威風堂々。 全部で6曲あるらしいが、一番有名なのは第1番。誰でも知ってる名曲だ。イギリスでは第二国歌的な扱いになっていると言われる。 この威風堂々、タイトルを英語…

マーラー 交響曲第2番、第3番

6月28日(木)に読響で第2番復活(指揮:C・マイスター)、翌日29日(金)にバンベルク響で第3番(指揮:J・フルシャ)を続けて聴いた。 いつもならそれぞれの鑑賞記を書くところだが、少し趣向を変えて、両作品について、というより私の両作品への…

フランク交響曲ニ短調

これまでの人生で2千回以上コンサートに行っているが、名作と呼ばれているにも関わらず、一度も実演を聴いたことがなかった曲がある。 それが、記事タイトルのとおり、フランクの交響曲ニ短調だ。 機会に恵まれないということはない。首都圏に7つも8つも…

魔笛

知らないオペラを鑑賞する時、私の場合、①まずCDで音楽だけを聴く→②解説書や対訳などで物語の全般を把握する→③DVDなどで映像を視聴する、という順番でお勉強する。 これ、昔からのお決まりパターンだ。 (映像を最初から見ず、ストーリーも頭に入れず、…

カテリーナ・イズマイロヴァ

先々月、NHK-BSプレミアムシアターにて、モスクワ・ボリショイ劇場の公演ライブ中継による「カテリーナ・イズマイロヴァ」(T・ソヒエフ指揮)が放映された。 この時、ちょうどミュンヘンとザルツブルク旅行での観賞が控えていたので、録画だけしてお…

師走の第九

コンサートラッシュだった11月。ジェットコースターのような毎日はいったい何だったのだろうか。 本当はあの後、大野和士指揮の都響とヤルヴィ指揮のドイツ・カンマーの公演にも行ったのだが、もはや感情をコントロールし、頭の中を整理することが出来なく…

フランク ヴァイオリン・ソナタ

大学に入学するとさっそく管弦楽部に入部し、高校まで演奏していたトランペットからヴァイオリンに転向した。19歳で初めてヴァイオリンを手にしたのだ。 もちろん、遅いことは分かっている。幼少の頃からやっていた連中との腕前の差はいかんともしがたく、…

イェヌーファ

オペラを聴くようになってからヤナーチェクのオペラ作品にたどり着くまでは、少々時間がかかった。それ以前から知っていた管弦楽作品「シンフォニエッタ」や「タラス・ブーリバ」、これらが個人的にどうも好きではなかったのである。だから、二の足を踏んで…

サムソンとデリラ

オペラは高尚と言われるが、そのほとんどが他愛もない恋愛物語。中味の音楽は愛の賛歌で溢れまくっている。 そんな中、古今東西数々の愛を讃える名アリアで特に私のイチ押しなのが、「サムソンとデリラ」でデリラが第二幕で歌う「恋よ!弱い私に力を貸して」…

ドン・パスクワーレ

私がこれほどまでに海外に出掛けようとするその衝動要因は何なのか。 主に二つだと言える。 一つは、本場ならではの第一級の公演がそこにあるということ。もう一つは、日本ではなかなか上演されない演目がそこにあるということ。 特に二つ目の理由は深刻かつ…

兵士たち(軍人たち)

何をもって現代音楽と定義するのかは自分にはよく分からないし、人によっても捉え方が違うかもしれないが、私にとってB・A・ツィンマーマンは、十分に現代音楽である。 で、既に何度も言及しているとおり現代音楽が苦手な私にとっては、ツィンマーマンは容…

イドメネオとヴェルディ

イドメネオは鑑賞する機会が少ない演目である。このためこれまで気が付かなかったのだが、今回の二期会公演を見て、物語の中にヴェルディ作品との類似性を見つけた。 このことについてはひょっとすると既に語られ、知られていることかもしれないが、私自身の…

マーラー交響曲第10番 補筆完成版の意義

音楽学者デリック・クックの補筆によるマーラーの交響曲第10番全曲版。この曲に対する評価、というより、第三者によって補筆完成された曲をどのように認め、どのように評価するかについては、様々な意見があろうかと思う。 たとえ作曲家本人の基本構想や主…

イル・トロヴァトーレ

昨日の午後、コンサートに行く予定だったが、行けなかった。鉄道の人身事故により電車が約1時間半もストップし、結局会場に向かえなかったのだ。 東京交響楽団のJ・ノット音楽監督就任記念公演だった。ノットが指揮する公演はこれからも行く機会が必ずある…

ウェルテル

映画館でこのオペラを観た。見終わって、改めて思った。 名曲だ。実にいい曲だ。登場人物の切ない恋愛感情と苦悩がしみじみと伝わってくる大変美しい音楽である。 しかしなあ・・・。 物語がどうもいかん。 なんつうかさあ、身も蓋もないっつうかさあ。 現代…

トスカの謎

トスカネタを続けます。 一つ解らないことがある。悪徳警視総監スカルピアはトスカを我が物にする引換えとして、カヴァラドッシの処刑を回避させることを約束し、空砲による見せかけの銃殺刑を指示したにも関わらず、なぜカヴァラドッシは実弾によって撃たれ…

トスカの舞台

永遠の都ローマ。トスカの各幕の場所が実際にローマ市内に存在しているのは御承知のとおりだ。第一幕はサンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会。第二幕はファルネーゼ宮殿。第三幕はサンタンジェロ城。 もうずいぶんと前のことだが、私はサンタンジェロ城→デ…

蝶々夫人(マダム・バタフライ)

なんという素晴らしい作品をプッチーニはこの世に残してくれたのか! 蝶々夫人は数あるオペラの中でも誰もが認める偉大な作品の一つ。世界においてオペラという芸術分野が存続する限り、プッチーニの名声とともに未来永劫にまで輝き続ける作品である。 そん…

エレクトラ

R・シュトラウスのオペラ「エレクトラ」と「影のない女」には、共通点があることを御存知であろうか。 それは「舞台に登場しない人物が、音楽上も物語上も重要な役割を担っていて、モチーフとなる旋律が付与されている」ということだ。 これらのオペラを知…

リゴレット

今年はヴェルディイヤーなので、世界の各地でヴェルディのオペラ上演が目白押し。いよいよ間近になってきたエクサン・プロヴァンス音楽祭でもリゴレットを鑑賞する予定だが、なぜかどういうわけか最近このオペラによく当たる。 昨年は5月にチューリッヒで、…

思い出の「ローマの松」

先日の東フィル定期公演で聞いたローマ三部作。特に「ローマの松」は、多くの管弦楽曲の中でも大好きな曲の一つである。 私に限らず、この曲が好きな人、多いのではないだろうか。アッピア街道の松、カッコイイもんね。ゾクゾクするよね。 さて、私が初めて…

夜のガスパール

先日のラ・フォル・ジュルネ、ベレゾフスキーの演奏で聞いたラヴェルのピアノ曲「夜のガスパール」。私はこの曲が大好きだ。好きなピアノ曲ダントツナンバーワン。 クラシック音楽愛好歴が長いと、昔は大好きだったのにいつの間にか愛着が失せてしまった曲が…

マイスタージンガー2

ところでさあ。ヴァルターって、あの後、ちゃんと組合に入って他のマイスターたちと仲良くやっていけたのかなあ。どう思う? だってさあ。彼はもともと流れ者の騎士であって、マイスターになるつもりもなかったし、伝統や芸術を守るつもりもなかったし、単に…