ずっと連日旅行記を書いてきたが、その間にクラシック関連でいくつかニュースがあった。
全然触れることができなかったので、振り返ってまとめてコメントしてみたい。
まず、残念な一件として、マウリツィオ・ポリーニの死去。
間違いなく不世出であり、孤高のピアニストであった。
私の世代では、上の方にホロヴィッツ、リヒテル、ミケランジェリらがギリギリいたものの、既に峠を越し、晩年に差し掛かっていた。
だが、老巨匠に頼らなくても、我々にはポリーニがいた。(あとはアルゲリッチね)
彼の全盛期に居合わせ、演奏を直接聴くことが出来たのは、この上ない幸せだったとしか言いようがない。コンサートでは、技術を超越した完璧なピアニズムに、毎回圧倒された。
偉大なピアニストを失ったが、彼が録音した名演奏は未来永劫残る。燦然と輝き続け、語り継がれる。それが救いだ。
続いては、良い知らせで、ブロムシュテットの復帰。
3月下旬のシュターツカペレ・ドレスデン公演をキャンセルしたため、復活は厳しいかと思っていた矢先、先週のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管公演で指揮台に上がり、ファンを驚かせ、そして喜ばせた。
椅子に座りながらではあったが、無事にシューベルトの交響曲第2番と第4番を振りきったのだという。
すごいなあ。
なんだか執念みたいなものを感じる。
元々、病気というよりは怪我が原因での長期療養だったから、リハビリが上手くいけば復帰の道筋は立っていたのかもしれない。
こうなると、秋の来日に再び明るい兆しが見えてくる可能性もあるが、まだまだ先の話。ここはとにかく静かに見守り、祈ることとしよう。御本人の健康と体調が一番。無理はなさらずに。
クラウス・マケラのシカゴ響音楽監督就任のニュースも、結構驚いた。マジか~。
いやだって、その出世街道、早すぎでしょう。まだ28やで。
28でパリ管手に入れ、コンヘボ手に入れ、でシカゴかよ。
もうこのあと残っているのは、ベルリン・フィルしかないじゃんか。
何だか、本人の手腕以上に、周りが騒ぎ、もてはやし、担ぎ乗せている感がしないでもない。つまり、「英雄、スーパースターを作り出そう」という、業界、エージェント絡みの営業的戦略、思惑だ。
大丈夫かなあ・・・。本当にこのまま順調に階段を登っていくのか。
スポーツみたいに明確な勝ち負け結果が出ない世界だから、余計に不透明の部分はあるが・・・とにかくしばらくはその飛ぶ鳥を落とす勢いを注視していきたい。
ところで・・・
ユジャ・ワンと別れたという噂を聞いたのですが・・・ホント??
ユジャ・ワンが共演予定だった公演をキャンセルしたらしいけど、主催者側からすれば、マジいい迷惑だよな(笑)。