私がこれほどまでに海外に出掛けようとするその衝動要因は何なのか。
主に二つだと言える。
一つは、本場ならではの第一級の公演がそこにあるということ。もう一つは、日本ではなかなか上演されない演目がそこにあるということ。
特に二つ目の理由は深刻かつ重大だ。日本でなかなか上演されないとなると、我々としては諦めてDVDなどのメディア視聴で我慢するか、もしくは海外に行くかのどちらかしかない。
つまり、私の海外出張は「やむなく、仕方なく」という部分も多少はあるわけだ。
多少、ね(笑)。
さて、バーゼルで鑑賞したドン・パスクワーレも、どういうわけか日本では上演される機会がほとんど無い演目と言っていいだろう。私も初めて観ました。
いったいなぜ? 音楽的には平易で親しみやすく、初心者向けなのに。
ひょっとして、物語としてお年寄りをいじめるというのがハラスメントでけしからんというのが真相だったりして。うーん、あり得る。
確かにパスクワーレさんは何も悪い事をしていない。お年寄りのくせに若い女の子を嫁に貰おうなんて図々しい、だからとっちめちゃおうというのは、ちょっといかがなものか。
いいではないか。お金持ちなんだからさあ。お金持ちならお年寄りでも構わないと思っている女性、いるんじゃないのぉ??
むしろ伯父の遺産を宛てにしつつ好きな娘と結婚しようとしているエルネストくんの方を痛い目に遭わせるべきだとオレは思うね。そっちの方がよっぽど図々しいわい。
それにしてもこの物語、Rシュトラウスの無口な女に似ている。昔からこの手の逸話がポピュラーだったのであろうか。