クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

フランク交響曲ニ短調

これまでの人生で2千回以上コンサートに行っているが、名作と呼ばれているにも関わらず、一度も実演を聴いたことがなかった曲がある。
それが、記事タイトルのとおり、フランクの交響曲ニ短調だ。
 
機会に恵まれないということはない。首都圏に7つも8つもプロオケがある。数年に1回くらいどこかのプログラムで採り上げられているに違いない。
つまり、この曲の公演をこれまでずっと無視してきたというわけだ。
理由は単純で、要するに「おもしろくない」「何がいいのか分からない」と思い込んでいたからである。
 
高校生くらいからクラシック音楽を貪り食うように聴くようになり、当然のようにこの曲にも巡り合っている。レコードや録音テープ(古っ)などで何度も繰り返し聴いたが、上記の感想だった。
 
具体的に何がどう面白くないのか、説明できる。
いくつかの単純な基本旋律を転調させ展開させているだけ。
展開させながら、強弱と緩急をつけて盛り上げているだけ。
 
「循環形式」とはよく言ったもんだ。
なんとなくカッコイイ言葉で騙されやすいが、要するに単純な使い回しってわけだ。
 
こうしてこの曲を聴くことに背を向けてウン十年。今、ふと「聴いてみましょうか」と思った。
目に留まったのは、10月24日の小泉和裕指揮による都響定期公演。
聴きたいと思ったのはフランクではなく、前半のバルトークのヴァイオリンコンチェルトだったのだが、いい機会だと思った。ウン十年聴いていないが、超久しぶりに聴いてどう思うのか。やっぱり「つまらん」と思うのか、それとも「ん?? 意外といい曲じゃん!?」と思うのか。
 
歳月を重ねるに連れ、音楽の嗜好は変化する。昔好きだったのに今はそうでもないというのもあるし、昔はそうでもなかったけど今は猛烈に好きというのもある。
例えば、私はその昔、ロッシーニが嫌いだった。すごく軽薄だと思っていた。
でも、今私はロッシーニのオペラを求めて世界中を回っている。
 
ということで、行ってきました、都響
率直に感想を言いましょう。「なかなか面白いと思った。」
何十年経っても、上記のとおり「単純な基本旋律を転調させ展開させているだけ」の印象は同じだ。
私が面白いと思ったのは、その瑞々しい響き。オーケストレーションは十分に堪能できると思った。
 
今後、あえて避けて通る必要はなさそう。機会があれば、また聴こうと思う。

外来オケ公演のプログラムに入れば、さらに行きたい衝動に駆られると思うが、そこまでの作品じゃないんですかねえ・・・。