クラシック、オペラの粋を極める!

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2008/9/27 新日本フィル ばらの騎士

2008年9月27日 新日本フィル定期演奏会 トリフォニーホール
R・シュトラウス作曲 ばらの騎士
コンサート・オペラ形式
指揮 クリスティアン・アルミンク
演出 飯塚励生
ナンシー・グスタフソン(元帥夫人)、ビャーニ・トール・クリスティンソン(オックス男爵)、藤村実穂子(オクタヴィアン)、ユルゲン・リン(ファニナール)、ヒェン・ルイス(ゾフィー)他



 とても素晴らしい公演だった。
 歌手達も素晴らしかったけど、一番良かったのは指揮者のアルミンクだと思った。

 彼はR・シュトラウス協会の例会で講演し、次のように語った。

ばらの騎士は一番好きなオペラのひとつ」
新日本フィルとは契約終了の際にこの曲を採り上げようと最初から決めていた」
(その後契約延長になったと笑っていた)
ばらの騎士はワルツがポイント。私はウィーンっ子なのでよく分かっているつもり。」

 さすが、そのとおりだった。

 オケをステージに乗せるので、歌とのバランスが重要だが、音量を抑え、だけどオケを語らせる所は十分に語らせていた。アルミンクは若いが実力は相当なものだと思う。毎回の新日フィル公演のプログラミングも絶妙だし、かっこよくてファンも多いだろうし、同オケがアルミンクと契約を更新したのはナイスとしかいいようがない。

 歌手では、初ロールの藤村さんに大きな期待を寄せていたが、「さすが世界のフジムラ」と思った箇所と「うーん、まだ役を物にしていないな」と思った箇所との両方があった。彼女は既に世界中から引っ張りだこの名歌手。おそらくそのうちどこかの一流歌劇場でこのオクタヴィアンを歌うことだろう。それまでに一層磨きをかけて、名声を更に押し上げてほしいと願う。

 その他の歌手についても出来が予想以上だった。個人的には何を隠そうあまり好きではないN・グスタフソンも今回は良いと感じたし、B・T・クリスティンソンの歌も立派だった。C・ライスはゾフィーをとても初々しく清々しく歌った。(やっぱりゾフィーは初々しくて可愛くないと、ね(笑))

 だけどだけど・・・
 残念なことに席が悪かった。くそー失敗した。私は3階の貧民席だった。歌手が歌い演技をするスペースはオーケストラの前だったが、3階からはよく見えなかった。当然客席の多くの人が視界を得ようと前のめりになるから余計見えない。
 「あ~あ、ダメだこりゃ」なんて思いながら聴いていて感動できるでしょうか?出来るわけありません。ガクッ。

 私が師と仰ぐ先輩Kさんが「今回、C席は席が悪いのでB席にした」ということを後で知らせてもらい、一層悔やんだ。さすがKさん。


 なお、今回は演出についてのコメントは控えさせていただきやす(笑)。