クラシック、オペラの粋を極める!

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2024/5/3 ラ・フォル・ジュルネ マリー・アンジュ・グッチ ピアノ・リサイタル

2024年5月3日  ラ・フォル・ジュルネ マリー・アンジュ・グッチ ピアノ・リサイタル   東京国際フォーラム
スクリャービン  ピアノ・ソナタ第5番
ラフマニノフ  ショパンの主題による変奏曲
プロコフィエフ  ピアノ・ソナタ第6番 戦争ソナタ

 

ゴールデン・ウィーク。絶好の行楽日和。
そのゴールデン・ウィークに毎年開催されるクラシックのお祭り、ラ・フォル・ジュルネ
3日間で75もの公演がびっしりと埋め尽くされるラインナップはなかなかの壮観だが、その大半はファミリーやお子様を含む一般愛好家向け。
だが、よーく目を凝らして眺めると、「おっ!? それやる!?」みたいな、思わずそそるプログラムが見つかる。


マリー・アンジュ・グッチ。
アルバニア生まれ、パリで研鑽を積んだ俊英。私は今回初めて聴いたが、日本には既に何度となく来日し、ラ・フォル・ジュルネを含むリサイタルに出演。昨年はN響とも共演し、7月には読響とコンチェルトを披露することになっている。

これまでのグッチ評を見て、しばし「天才」という文字が目に留まっていた。
なるほどね、と思った。
真の天才であるかどうかはさておき、類まれなる才能に恵まれた演奏家であることについては、異論なしだ。技術がしっかりしているし、自分の技術に100%の自信を持っている。
そもそも技術が無いととても弾けないプログラム。これらを完全に手中に収め、演奏をコントロール出来ていることに、大いに感心した。

ちょっと気になったのは、ニュアンスや表現にも心を配っていることは間違いないのだが、それでも時折直線的に向かい過ぎる傾向が見受けられたこと。
直線的というのはスリリングな感興と紙一重なので、良くないと断じるつもりはないのだが・・。


ところで、今回の公演では、1階の前から4列目中央の席で鑑賞した。
普段はチケット代をケチって、あまりこういう上等席で鑑賞することが無い。
で、久しぶりにこのような前の方の席で聴いたところ、ピアノという楽器そのものが鳴り響く感触を味わうことが出来た。打鍵が弦を弾き、包んでいる木の箱が共鳴する、ピアノという楽器本来の音。これには結構興奮した。

やっぱ、高くて良い席には、ちゃんと相応に聴こえる物があるというわけだねー。