クラシック、オペラの粋を極める!

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2024/4/28 藤原歌劇団 チェネレントラ

2024年4月28日   藤原歌劇団    テアトロ・ジーリオ・ショウワ
ロッシーニ  チェネレントラ
指揮  鈴木恵里奈
演出  フランチェスコ・ベッロット
管弦楽  テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
山下裕賀(アンジェリーナ)、荏原孝弥(ドン・ラミロ)、押川浩士(ドン・マニフィコ)、和下田大典(ダンディーニ)、東原貞彦(アリードロ)、米田七海(クロリンダ)、髙橋未来子(ティスベ)

 

なんだかイマイチ楽しめなかったなあ・・。

主な原因は2つ。
第一に、前の人の頭が視界の邪魔になっていたこと。
もし前の人が完全に前屈みだったらハッキリと口頭注意したのだけど、ちょっと背中を浮かせる程度で、微妙だった。「背中を背もたれにピッタリ付けてくれ」とまでは、さすがに注意出来なかった。
そもそもここのホール、2階席、3階席の最前列には手摺りが設置されていて、前方の人にとってこの手摺りが視界的に邪魔。

「よく見えない」というのは、観劇にとってフラストレーションが貯まるのである。


第二に、やはりというか案の定というか、全体的な音楽のレベル。
「悪かった、ひどかった」などとは言わない。むしろ、よくやっていたとも思う。
だが、ロッシーニらしい、風が吹き抜けるかのような軽快さが足りず、もさっとした印象がどうしても拭えなかった。
例えば、歌手のアジリタ技法でも、オーケストラにおいても、素早くて難しいパッセージに現れると、そこを察知した指揮者が無難な妥協ポイントを見つけてしまうというパターン。指揮者の危機管理能力が裏目に出るケース。仕方がないとはいえ。

演出も、絵本の中から登場人物が飛び出してくる、というアイデアはいいが、ただそれだけ。


救いは、アンジェリーナ役の山下さんの見事な歌唱。出演者の中で、彼女だけが図抜けていた。
元々、彼女のアンジェリーナを聴きたくて、本公演に駆け付けたようなもの。その意味では、目的は達成されたのかもしれない。
うん、もうとにかくそう思い込むしかないな・・。