クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2008年7月5日 トリノ  プッチーニ「エドガール」

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 これからブログでこれまで出掛けた海外旅行記を少しずつ書いていこうと思う。一番最初はとりあえず直近に行ったところにする。イタリアの音楽祭を巡る旅だ。

 最初の訪問地はトリノ
 トリノは今回で2回目。前回の訪問時におおかたの見所ポイントは見て回った。ところがその時は町のシンボルであるドゥオーモがちょうど改修中だかなんだかで閉じられていた。(この、「改修中」「休業」「閉店」「終了」「やってまへん」=イタリア語で「CHIUSO」は、本当にむかつく嫌な言葉だ。イタリアに行ったら、この「CHIUSO」と「SCIOPERO」=ストライキは本当に要注意!この国に何度か行ったことのある人なら誰でも知っている。怠けものイタリア人め。)

 そういう訳で、今回は何が何でもドゥオーモを見たかった。というのも、このドゥオーモはキリスト処刑後にその身体を包んだとされる「聖骸布」を納めていることでとても有名な聖堂だからである。(もっとも聖骸布伝説は単なる言い伝えにすぎないとのことであるが・・・。)
 聖堂内に飾られて見学できるこの聖骸布はコピーらしいが、それでもどこか不思議でいわくがありそうで、面白かった。二度目のリベンジでようやく見られて、気分は満足であった。

 あとは、カステッロ広場の一角に立つマダマ宮殿と、科学アカデミア宮殿のエジプト博物館を見学して、観光はおしまい。欧州の旅の初日はいつも長旅疲れと時差のせいで辛い。別に観光だけの旅行なら構わないのであるが、私の場合は夜のオペラが控える。午後3時にはホテルに帰って仮眠を取る。


トリノ王立劇場(テアトロ・レージョ)
プッチーニ作曲 歌劇「エドガール」
指揮 ヨーラム・ダヴィッド
演出 ロレンツォ・マリアーニ
キース・オルセンエドガール)、カルメン・ジャンナッタシオ(フィデリア)、ジュゼッピーナ・ピウンティ(ティグラナ)、ドメニコ・バルザーニ(フランク)


 本公演のポイントは、一つはプッチーニ生誕150周年記念公演であること、もう一つは現行の3幕版ではなく改訂前の総譜が失われたとされる全4幕版だということだ。何でも失われた第4幕をピアノ譜からオーケストレーションし直したとのこと。

 まあ、全3幕版であろうと、全4幕版であろうと、いずれにしてもこの「エドガール」という作品自体がなじみが薄いのには変わらない。かく言う私もこのオペラは知らなかった。予習さえままならないレア作品なら無理に聴く必要もなく、避けてもよかったが、ちょうど日本語対訳が備わった全曲CD(ただし3幕版)が発売されていたので、予習して聞き込んでこの公演に臨んだ。

 プッチーニが作曲した2番目の作品なので、やはり完熟していない気がした。ストーリーも唐突である。あまり人気が出ないのもごもっともだと思う。

 大きな柱を何本も立てた抽象的な舞台装置であったが、演出において何か特別な主張も感じられず、また演奏自体も「普通」の域を出なかった。(というのも、歌手陣も残念ながら本日はダブルキャストのセカンドの方であった。)そうなってくると、途端に睡魔が襲いだした。良いキャストが揃った、質の高い上演なら眠気に打ち勝つことも出来るが、「ふふん、まあまあかな」なんて思った瞬間に睡魔というのは忍びやって来るんだよね。嫌なヤツだね。

 ということで、後半はウトウトしながら聴いてました。旅の初日は時差と長旅疲れでいつも難しい。スミマセン。