クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2008年7月6日 ラヴェンナ ラヴェンナ音楽祭1

イメージ 1

 トリノからラヴェンナに向かう。イタリアの新幹線ユーロスターに乗ってボローニャでローカル線に乗り換える。ボローニャでの乗り継ぎ時間は13分。イタリアでは13分では不十分だとは分かっていたのだが、とりあえず賭けてみた。案の定、新幹線だというのに遅れ出す。ボローニャの一つ前のピアチェンツァで停車した時点で既に定刻より12分の遅れ。ああ、こりゃ無理だ~と絶望感が漂った。次のラヴェンナ行きは一時間後。まあしようがないと諦めていたら、なんとまあ、ボローニャに定刻に到着した。ここらへん、イタリアってホントわけが分からん。

 ラヴェンナの途中駅にイモラがあって驚いた。ここだったのか!F1ファンなら誰もが知っている町。伝説のドライバーアイルトン・セナがレース中の事故で生涯を閉じた有名なサーキットがある。途中下車したい衝動を抑えてとにかくラヴェンナに向かう。

 ラヴェンナ到着。音楽祭開催中なので華やいだ雰囲気があるかと思ったら、街は以外と地味でやや拍子抜け。それより何より、照りつける太陽が「あっぢ~」。気温は34度くらいあろう。夏真っ盛りだ。
 到着した時点で既にお昼を回っていたので、観光前にとりあえず昼メシのありかを探したが、日曜日ということもあってどこもみんな閉まってやがる。せめてレストランくらい開けろよ。クソ暑いのに市内をさまよい続け、結局リストランテを見つけられなかったため、中心広場のテラスのカフェでピザ食った。しかし、こんな普通のカフェが出すピザでさえうまい。イタリアは本当に食に関しては天下一品だと思う。

 ビザンチン文化の影響によるモザイク美術の宝庫とされるラヴェンナ。その中でも最も由緒あるサン・ヴィターレ教会を訪ね、モザイクが作る圧倒的な空間に身を置いてしばし時空を越えた思いを廻らした。

 仮眠を取った後、ラヴェンナ音楽祭会場に向かう。インフォメーションに確認したところ、駅前から会場までの無料バスが出ているとのことでこれを利用した。


ラヴェンナ音楽祭 会場:パラッツォ・マウロ・アンドレ
フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団コンサート
指揮 リッカルド・ムーティ
ヴェルディ 聖歌四篇よりスターバト・マーテル、テ・デウム
ロッシーニ スターバト・マーテル
エライン・アルヴァレス(S)、オルガ・ボロディナ(Ms)、マリオ・ゼッフィーリ(T)、イルダー・アブドラザコフ(B)


 ムーティファンを自認する私にとって、ラヴェンナは「いつか行かなければならない街」であった。そして行くのなら、音楽祭の時期でムーティが指揮する公演に合わせる必要がある。
 今回、この旅行を計画した時点では、演奏曲目はまだ未定であった。それでもムーティの指揮する公演だからとにかく決定!ということで出掛けることにしたが、その後発表された曲目は昨年4月の東京オペラの森公演と全く同じ。ちょっとガッカリしたが、まあ仕方ない。素晴らしい公演を二度聴くチャンスを得たと思えばよい。

 会場のパラッツォ・マウロ・アンドレは、コンサートホールというより、多目的アリーナ。やはり音響面において圧倒的に不利。座席もまさにスポーツ観戦用の椅子だよな、こりゃ。

 東京公演と決定的に違うのは、フィレンツェ5月音楽祭合唱団の質の高さ。圧倒的な合唱は凄み感がある。更にラヴェンナまでマエストロ・ムーティを聴きに来た、その‘はるばる’感が、一つ感動を押し上げてくれた。