本日は本当は何も予定がない(見ようとするオペラ・コンサートがない)オフの日だった。でも、ジュネーブで「こうもり」の公演があることをめざとく見つけて、チューリッヒからジュネーブまで移動しました。
「音楽がある限り、そこに向かうのだ!」
なんてというと聞こえが良いが、なんだかなあ、そこまで無理して毎日毎晩見なくてもいんじゃないかとも思う。のんびり観光し、夜はおいしい食事にありつくのだって十分旅行として楽しいだろう。
今回是非そうしようと思いつつ、でもやっぱりオペラを見つけてそこに移動することにしてしまった。もはや悲しい性と言ってよい。ビョーキなのだ俺は。
チューリッヒからジュネーブまでは急行電車で約3時間。スイス国内の移動は実に楽しい。山、湖、川・・。車窓から眺める自然の造形の何と美しいことよ。思わず缶ビールを買って車内でプシュッと開けてぐびぐび。うめー。
ジュネーブに到着して、さっそく街に繰り出す。
予め行こうと計画したところを目指した。ジュネーブ美術歴史美術館。行ってみると・・・ありゃ、休館日。ナヌ?
ガイドブックを開けてみると、うーむ、確かに月曜日は休みって書いてある。っていうか、ほとんどの美術館・博物館が月曜日は休みではないか!
じゃ、しょうがないということで、ガイドブックによると月曜日も開いているプチ・パレ美術館に行ってみると・・「改築工事より当分休館」。
ムカついた。おいおい、何もすることがなくなってしまったじゃんかよ。
結局しょうがいないので、パブに入ってビール注文してぐびぐび。うめー。
(こんなことをするためにわざわざ3時間かけてジュネーブに移動しているのだ、この俺は)
あんまり飲み過ぎると夜の公演に支障が出るので、適当に切り上げて、ホテルに戻りました。
で、夜のこうもりについて。
2008年12月15日 ジュネーブ大劇場
J・シュトラウス 喜歌劇こうもり(グラインドボーン音楽祭オリジナルプロダクション)
指揮 トーマス・レスナー
演出 ステファン・ロウレス
マルティン・クレンツル(アイゼンシュタイン)、アンナ・カタリーナ・ベーンケ(ロザリンデ)、テレサ・クロンターナー(オルロフスキー)、パヴォル・ブレスリック(アルフレード)、クラウディオ・オテッリ(ファルケ)他
音楽的にも演出的にも特筆すべき物は何もなかった。ただし、舞台装置はアール・ヌーヴォー様式を採り入れて非常にセンスがよい。
このこうもりという作品は、どうやらプロダクションによってセリフや音楽構成が異なるようだ。我々にとって映像などでお馴染みとなっているウィーン風とはひと味違う。セリフも(もちろん何を言っているかは分からないが)かなり自由にバリエーション化されている。もちろんギャグも。
日本の12月が第9のシーズンだとしたら、ヨーロッパの歌劇場の12月の風物詩がこの「こうもり」。ここは肩肘張らずに‘定番’を見て良い新年を迎えることにいたしましょう。