2009年12月21日 ウィーン国立歌劇場
ヴェルディ マクベス
指揮 ギレルモ・ガルシア・カルボ
演出 ヴェラ・ネミロヴァ
サイモン・キーンリーサイド(マクベス)、エリカ・スンネガルド(マクベス夫人)、ステファン・コツァン(バンクォー)、ディミトリー・ピッタス(マクダフ)、ゲルゲリー・ネメティ(マルコム) 他
この日はフランクフルトからオーストリア航空でウィーンに移動。移動についても観光についても特に報告することは何もないので、すぐに公演の鑑賞記にさせていただきます。
まず劇場に到着して、本日のキャストを見て、口がぽっか~んと開いてしまった。
「指揮者が変更になっている!!」
当初の予定は、今やウィーン国立歌劇場になくてはならない指揮者の一人、ダニエレ・ガッティだったのだ!落っこちやがった・・・。大ショック。
で、ガルシア・カルボって誰やねん!? 心配だなあ。
不安は的中。
もう、さ、こんなつまらないマクベス聴くの、ホント久しぶりですよ。
これが本当にヴェルディ?? これが本当にウィーン?? これが本当にプレミエ公演?? 天下のウィーン国立歌劇場がこれでいいの??
演出もつまんねえ。
上記の写真をごらんくだされ。これを見て、いったい誰が「マクベス」と分かるでしょう??
とにかく、演出家がこの作品のどこに光を当てたかったのかが全く分からなかった。また、演出家は音楽のパワーを信じていない。音楽に語らせようとせず、自分の小手先のアイデアで勝負しようとするから、余計に作品がちっちゃくなる。つまらない演技演出に場内の観客から失笑が何度もこぼれる。こりゃ草葉の陰でヴェルディが泣いているよ。
断言しましょう。このプロダクションは数年で消えまっせ。哀れなり。
歌手について。
キーンリーサイドも演出の被害者なり。マクベスを、王ではなく、縮こまった普通の気弱なオジサンに仕立て上げたせいで、歌も一緒に縮こまった。真面目に一生懸命に歌っているだけに、余計かわいそうだった。
こういうときこそ、指揮者の出番ではないのか?
演出家と議論をして解決策を導くべきではないのか!
ガッティだったらそうしただろう。
ガッティは病気降板ということだったが・・ひょっとして不細工な演出に嫌気を催して降りたか・・そう勘ぐってしまう。
マクベス夫人のスンネガルドも歌い方が一本調子でイマイチ。この難役をこなすにはまだ経験が足りない。
数えてみたらウィーン国立歌劇場(もちろん現地)で見た公演は計30に上ったが、その中で間違いなく「最低レベル」。
あ~あ。
今回の旅行を象徴するラスト公演でした。