クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2018/5/19 二期会ニューウェーブ アルチーナ

2018年5月19日  二期会ニューウェーブオペラ)   めぐろパーシモンホール
指揮  鈴木秀美
演出  エヴァ・ブッフマン
管弦楽  ニューウェーブバロック・オーケストラ・トウキョウ
合唱  二期会合唱団
梶田真由(アルチーナ)、花房英里子(ルッジェーロ)、郷家暁子(プラダマンテ)、宮地江奈(モルガーナ)、島内菜々子(オベルト)、市川浩平(オロンテ)、金子慧一(メリッソ)
 
 
私はバロックにあまり傾倒していないが、機会を得てこうしてじっくり聴いてみると、このジャンル、侮れないなと改めて思う。原点に立ち返ることで再発見する美しさ、素晴らしさがそこにある。
構成がシンプルだが、そのシンプルな旋律や響きが実に素朴で、ストレートに心に染み入る。なんて良い音楽なのだろうと感心しきりだ。
 
そのように思わせてくれたのは、指揮者鈴木さんのバロックへの造形の深さと、一生懸命に取り組んだソリストの皆さんの真摯な歌唱のおかげである。
オーケストラにしてもソリストしても若手が中心なので、確かに熟成していない。技術的な面でまだまだの部分もあるし、押しが足らないと思う部分もある。
でも、それらは些細なことで、実際のところほとんど気にならない。むしろ、作品に自らの持てる物を捧げ、音楽に忠実になっているのだなと、その姿勢に感心した。鑑賞を終えて、これほど清々しい気持ちで家路についたのは久しぶりだと思った。
それに、演奏を聴いた感想のトップに、上に書いたとおり音楽の素晴らしさに私は思いを馳せたのだ。
実はこれこそが演奏者に対する最大の褒め言葉なのではないかと、私は思ったりする。
 
演出については、はっきり言って物足りない。
この程度のためにわざわざ海外から招く必要があったのか。この程度なら日本人の演出家で十分。
と言いつつ、日本人を起用してこの程度の演出で良しとしてしまう風潮にも私は反対だが。
 
余談。
先日、東京フィルのフィデリオを聴いたが、愛する人を救出するために男装して向かう、というのは「同じだなー」と思った。私が指摘するまでもなく誰もが気づくと思うけど。
あと、アルチーナとルッジェーロの関係が、ヴェーヌスとタンホイザーみたいだなー、とも思った。
 
オペラの題材なんて、大雑把に見れば、どれも似たり寄ったりだもんな。