クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2014/10/30 ウィンザー

 ウィンザー城は二度目の訪問である。20年前に訪れた前回は、確か城内の居室の半分くらいしか公開されていなかった。1992年に発生した火災の修復工事の影響で、一部しか見学できなかったのである。「火災から2年経ったから、修復は終わっただろ」と思って出かけたが、甘かった。
 「仕方がない。いつかもう一度来なければ」と思ったが、それから随分と年月が経ってしまった。すっかり当時の記憶が褪せていて、お城の前に立っても「あれ?こんなだったっけ?」みたいなぼやけた感覚に陥った。
 
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 オープンの10分前にチケット売り場に到着すると、既にずらっと長蛇の列になっていて、思わずたじろぐ。その長蛇のおよそ4分の3が中国人である。うぇぇーっ・・。
 近年、中国人観光客の世界進出は著しい。しかも彼らは必ずと言っていいほど群れを為している。あれだけ多くの同胞が寄り集まっていれば、「異国におじゃまします」といった感覚がなくなってしまうのも仕方がないだろう。まるで怒鳴り合っているかのような中国語が速射砲のごとく飛び交い、一種異様な雰囲気になっている。そうした列の中に並ばなければならないのかと思うと、気が滅入った。
 
 ちょうど列を整理している係の人がいたので、クロークルームの有無を尋ねた。空港から直行した私は、でかいバッグを担いだままだった。するとその係の人が「あなたは団体?それとも個人?」と聞いてきた。「個人です」と答えると、「個人の方はあっちの列へ」と指図した。そこはほんの10人くらいが並んでいるわずか5メートルの列であった。こうして私は速射砲攻撃から無事に開放され、待ち時間もなくスムーズにウィンザー城に入城できた。
 
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 それにしても、さすがは英国王室である。ヨーロッパを旅すれば、どこの首都にもたいていお城や宮殿といった類の建造物があるが、豪華さにおいてどこにも劣らない。しかもここは王室の本拠地ではなく郊外の別宅だというのだから恐れ入る。城内は写真撮影禁止のため、その絢爛たる室内の様子を紹介できないのは残念だ。
 
 2時間ほど見学に時間を潰し、その後ロンドン市内に入って昼食を取った。本当はボッタクリタクシー代の穴埋めをすべく、ファーストフードなどで節約したかったのだが、いかんせん現金を持っていなかったので、カードで支払えるちゃんとしたレストランに入ってしまった。単品料理と一杯のビール、これだけで4千円もかかってしまい、再び自己嫌悪に陥るオレ。後から考えてみれば両替をすれば良かっただけなのだが、正常な思考が働かなかったのは、きっと長旅疲れとタクシーショックのせいだろう。
 
 初日ということで早めにホテルにチェックインし、夜のオペラに備えて休んだ。