クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2008/2/9 ウィーン2

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 ウィーンの二日目の観光。
 市内の見所はもう十分征してあるので、郊外にあるグリンツィングとカーレンベルグに行くことにした。
 初めてカーレンベルグを訪れたときの感動が忘れられない。なだらかな丘、その丘から手を伸ばせば届くかのようなドナウ川、遙か向こうにウィーンの街並み。美しかった。いつまでも眺めていたかった。この光景を瞼に焼き付けようと思った。今回、きっとO君も感動するに違いない。

 約10年ぶりのカーレンベルグは変容していた。

 ホテルが建っていた。展望ポジションは完全に奪われていた。テラスもテーブルも椅子もなし。わずかなスペースから見下ろす眺めもイマイチ。晴れてはいたものの空気は透き通っておらず、なんとなく景色はよどんでいた。2月だったので丘の木々は冬枯れだった。

 がっかりして、たった15分も経たぬうちにバスで引き返す。
 もうカーレンベルグを再び訪れることはないだろう。幸いなことに、最初に訪れたときに瞼に焼き付けた美しい光景はまだ失われずに記憶に残っている。これを永遠に取って置くしかない。

 グリンツィングに戻ってマーラーのお墓を詣でる。ここも、初めて訪れた時のことを忘れられない。
 墓地を見つけられずにバタバタと右往左往探し回って苦労したっけ。地元の人に聞こうとしたが、そもそも「墓地」という単語を英語でもドイツ語でも覚えていなかったため、ただ「マーラー?」「グスタフ・マーラー?」とか聞き回って、ことごとく怪訝な顔をされたという、情けなくも今となっては笑える思い出だ。

マーラーはこのグリンツィングの墓地にひっそりと眠っている。ただ「グスタフ・マーラー」と記された墓石が立っているだけだ。「私の墓を訪ねてくる人は私が何者だったか知っているはずだし、そうでない人には知ってもらう必要はない」という遺言である。
「いずれ私の時代が来るであろう」という予言といい、このお方はなかなか言うことが含蓄があってカッコええわい。お墓を前にしてお祈りをした。ありきたりではあるが「我々クラシックファンはあなたの音楽に本当にお世話になっています。素晴らしい曲を残してくれてありがとうございます。」と。

その後、ベルベデーレ宮殿クリムトを見て、ビアレストランで遅い昼メシ食って観光を終了しました。


 この日の夜はウィーン国立歌劇場の二日目、「さまよえるオランダ人」です。レポは次回に。

(その前に、ウィーン国立歌劇場来日公演コシ・ファン・トゥッテのレポを入れないと、ね。なんか、ごちゃ混ぜの様相を呈してきたな・・・(笑))