指揮 エリアフ・インバル
「いやあ、ぶったまげた。腰抜かした。
いったいどこのオーケストラだ? ロンドン響か? コンセルトヘボウ管か?
なに? 日本のオーケストラだって? 日本のオーケストラってこんなにすごいマーラーを演奏できるのか?
うーむ、信じられん・・・。
とにかく今すぐウィーン、ベルリン、ロンドン、パリ、ニューヨークに演奏旅行に行ってこい。プログラムは一曲だけで十分。向こうの連中、仰天するぞ!ひっくり返るぞ! さあ、今すぐ行け!」
それにしても、ついにここまで来たか・・・。
大げさじゃないかって?? じゃあ聞くが、今、世界でこれに比肩しうるマーラーをいったいどこで聴けるというのだ!?教えてほしい。世界中のマーラーファン諸君、究極のマーラーをライブで聴きたいのだったら、東京にいらっしゃい。もし満足できなかったら、オレがチケット代返したるで!(わりいが旅費までは返せんがな・・・。)
都響の驚異の演奏技術に脱帽だ!
主席オーボエ、うまい! 日本のオケ全般における弱点はオーボエとホルンだと思っていたのだが、どうやらそのイメージは一部、払拭する時期に来ているようだ。(読響のオーボエもうまいし。N響はまだまだアレだが。)
そのホルンだって、冒頭のトゥッティの強奏はインパクト十分だった。超カッコよかったぜ!
あと、トランペットも。私はこう見えても(どう見えるんだ?)昔ラッパを吹いていたので、この楽器の演奏についてはちとうるさいが、都響の主席の高橋さんは、日本一の腕前だと思っている。第3楽章のポストホルン、音程を取るのがめちゃくちゃ難しいこの楽器で、よくあんなに安定したソロを吹けるものだと大感心。
もちろん超弩級の演奏に仕立て上げた最大の功労者が指揮者インバルであることは論を俟たない。現在、世界最高のマーラー指揮者だろう。私もこれまで何度もインバルの演奏を聞き、その都度賞賛絶賛し、ブログにもそのような感想記事を書いてきた。繰り返しになりそうなのでここは省略し、レポ形式で以下の事実だけお伝えしておこう。
「この日のカーテンコールにおける観客の熱狂ぶり、インバルに対する拍手、ブラヴォーはすごかった。どれくらいすごかったかというと、ウィーン国立歌劇場のP・シュナイダーにも、ドレスデン・シュターツカペレのティーレマンにも、全く負けず劣らずの喝采であった。」
外来公演じゃないんだぜ! 日本のオケの公演なんだぜ! すっげえ~!!