クラシック、オペラの粋を極める!

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2009/8/8 大島莉紗ヴァイオリン・プチリサイタル

2009年8月8日 大島莉紗 ヴァイオリン・プチリサイタル 日本キリスト教団逗子教会
大島莉紗(ヴァイオリン)
浦壁信二(ピアノ)
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ第5番 春
メシアン 主題と変奏
ラヴェル ヴァイオリンソナタ


 コンサートに行くというのは、すなわち、指揮者や演奏家が楽譜に向き合って研究し、練習をして創り上げたその「成果」を聴きに行くということだ。
 我々は、その成果だけから演奏家の解釈を見つけ出し、演奏家が考える音楽を聴き取らなければならない。
 もちろん、その作業はとっても楽しいものだ。だが、同時に難しくもある。難しく考える必要はないと思いつつ、ついつい、ああだこうだと考えてしまう。

 いっそのこと練習やリハーサルを見学して、創り上げていくその過程を見ることが出来れば楽チンだなあと思う。指揮者が何をオーケストラに要求するのか、それに対してオーケストラはどういう反応を示すのか、興味津々だ。
 更に、時に神々しささえ感じる演奏家たちの舞台裏や日常のエピソードも知ることが出来たら面白い。

 前置きが長くなってしまった。

 大島莉紗さんはパリ国立オペラ座に在籍するヴァイオリニストだ。世界屈指の歌劇場管弦楽団の団員である。その世界屈指の歌劇場の内側を、大島さんはさりげなく、そして楽しく、自身のブログで紹介してくれており、上記のささやかなファンの望みを叶えてくれている。私はこの大島さんのブログの愛読者だ。

 その大島さんが、夏休みだと思うが、日本に一時帰国し、プチリサイタルを催すというので、はるばる逗子まで出掛けた。名門パリ・オペラ座の団員の実力を聴いてみたいという興味が半分、ブログの内容や文章から垣間見ることのできる素敵なお姉さんを生で見てみたいという興味がもう半分(笑)。

 プチリサイタルというタイトルのとおり、プログラムは休憩無しの全部で一時間くらい。お客さんは、地元の人やら知り合いの人やらもたくさんいたようで、ベートーヴェンソナタなど、楽章間一つ一つに拍手が起こったりして、ローカルっぽい。だが、彼女が奏でる音楽は相当に真剣でイッパシなものだった。
 小柄で華奢な外見からは想像もし得ないくらいスケールが大きい。音に広がりを感じる。オーケストラのトゥッティ奏者の中からあのような響きが浮かび上がると目立ってしまうと思うが、多分オケとソロとでは演奏技法を変えているのだろう。

 一方で、厳しい表情のまま楽譜を睨み続けて演奏するその凛々しいお姿は、きっとピット内でも同じなのかな、と勝手に想像した。

 ブログのタイトル‘パリ・オペラ座からの便り’ということで、プログラムもフランス物が中心。アンコールのドビュッシーソナタ第2楽章も含め、その息吹は十分に嗅がせていただきました。

大島さんのブログは以下のとおり。

http://lisaoshima.exblog.jp/