クラシック、オペラの粋を極める!

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2018/1/28 東京フィル

2018年1月28日   東京フィルハーモニー交響楽団   オーチャードホール
モーツァルト  交響曲第41番ジュピター
 
 
この日の公演のことではないが、東京フィル、来シーズンの年間プログラムはかなりいい。
フィデリオ、それからメフィストフェレのコンサート形式上演、素晴らしい。
チョン姉弟の共演によるブラームスのヴァイオリン協奏曲、素晴らしい。
チョン指揮のマラ9も素晴らしい。
そして何と言ってもハチャトゥリアン交響曲第3番!! これやるか! 悶絶するくらい素晴らしい(笑)。
 
ということで、思わず定期会員になってしもうた。東京フィルの定期会員になるのは初めてだ。
 
さて、今回の公演について・・・だがその前にやっぱりもう一言触れずにはいられない。
チョン・ミョンフンが振った幻想交響曲の録音についてだ。1993年、パリ国立オペラ管弦楽団(録音当時、バスティーユ・オペラ管と名乗っていた)による演奏。
 
パリ国立オペラ座の音楽監督に就任予定だった大物バレンボイムとの契約が破談に終わり、代わりに白羽の矢が立った若きチョン・ミョンフン。この時、多くの人が「大丈夫か??」と、その手腕に懐疑的だったと思う。
そんな不安を吹き飛ばすかのごとく、同オケと組んで「おりゃぁ!」と録音した幻想のCDがとびっきりの名演名盤となり、ブツブツ言っていた奴らを黙らせた。
私もCDを買ったが、評判のとおり見事な演奏だと思った。鮮やかで、颯爽として、キレがある。
私自身、何を隠そうこの録音で初めて「チョン・ミョンフン」という指揮者を認識したのである。
 
ここでようやく今回の公演について。
てなわけだから、チョン・ミョンフンの幻想、悪いわけがない。たとえオケがパリから東京に替わっても。
 
この日の演奏は、録音と同様、鮮やかで、颯爽として、キレがあった。チョンの猛烈な統率力が備わり、エネルギーに満ち、熱量が高く、なんとも刺激的だ。作品を完全に手中に収めている指揮者のタクトで、オーケストラの感度も抜群。何度も聴いている名曲なのにとても新鮮で、普段なかなか聞こえてこない旋律も聞こえてきて、とても面白く、爽快だった。
 
この日の演奏は幻想この一曲で決まり。この演奏がすべて。
 
ジュピターははっきり言っていらなかったな(笑)。