クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

1995/5/22 ローマ~ナポリ

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

 この日はまず最初にイタリア商業銀行の支店に行き、日本で入手したイタリア・リラのトラベラーズチェックを現金に両替した。

(今でこそヨーロッパはほとんどがユーロという通貨に統合されたが、昔はそれぞれが独自の通貨を持っていた。その中でもイタリア・リラはダントツに面白かった。いくつか小話があるので、次回はちょっとそれを書いてみようと思う。今回はそのまま旅行記を続ける。)

 両替をしたら本日の観光。向かったのはバチカン博物館。
 開館時間ぴったりくらいに行ってみたら・・・ギョッとするくらいの長蛇の列。100メートルは楽に越えている。
 げぇー。並ぶのは嫌い。
 断念したい気持ちを必死に抑えて最後列へ。だが、思ったよりは前に進んでいく。それほどイライラせずに入館。それにしてもさすがは世界屈指の美術館だ。恐れ入った。

 驚いたのは列の長さだけではなかった。圧倒的なコレクション数!エジプト美術、ギリシャ彫刻、絵画、フレスコ画が描かれた居室、回廊、礼拝堂・・・。単なる宗教芸術の域を完全に超越・凌駕している。
 ヴァチカンと言えばカトリックの総本山。なのになぜエジプト美術なのか?なぜギリシャ彫刻なのか?おかしくない?この時は不思議に思ったものだ。
 その後、テレビや書物の解説などで、要するに教会と教皇の絶対的権威を高めるためのプライベートコレクションであることを学んだ。教皇、国王、帝王、独裁者-歴史上においてどいつもこいつもやることは皆同じなんだな。

ヴァチカンのシンボル、美術館のハイライト「システィーナ礼拝堂」。
 ご存じ天才ミケランジェロが創造した歴史的傑作‘最後の審判’。確かにすごい。

 だが・・・。
 観客多すぎ。そこは礼拝堂というよりはまるで詰め込まれた体育館だ。
 どれだけスピーカーで「ご静粛に!」を複数言語でアナウンスしてもザワザワは一向に収まらない。どれだけ館内警備担当者が「写真とっちゃダメ~!」と注意してもあっちこっちでフラッシュパチパチ。これでは厳粛な気分にはなれない。しかも礼拝堂内はフレスコ画保護のためか照明が暗いのでミケランジェロの作品もイマイチ鮮明さがない。
 仕方がない。こんなものなのだ。


 昼飯食べて、ローマはこれでおしまい。
 午後、電車でナポリへ移動。ローマから約2時間。ナポリに到着して駅のインフォメーションでホテルを予約。我々は最初のローマだけ日本で事前にホテルを予約したが、以降はすべて現地で探した。

 無事にホテルにチェックインしたら、さっそく観光。港からナポリ湾に沿っての散策。ヌオーヴォ城、王宮、卵城を眺めながらサンタルチア地区からメルジェッリーナ地区へひたすら歩いた。途中、港越しに見えるヴェスヴィオ火山が見える。
 「ナポリを見てから死ね」という格言があるが、これがそのナポリか!うんうん、確かに美しいぞ!  なんて景観に目を取られながら注意を怠って道路を横切ろうとしようものなら・・・良くてクラクションに脅かされる。悪けりゃ・・車に轢かれる!

 そう!悪名名高いナポリの交通事情。横断歩道でも青信号でも決して油断してはいけない。歩行者優先で車は止まってくれる?あまいあまい。ましてや信号のないところで横断しようとしたら、それこそ決死の覚悟だ。町中では常に(それこそ常に、だ)車のクラクションが鳴り響き、止むことがない。うるさいったらありゃしない。全くなんだこいつらは!
 
 文化の違い、というより民度の違いを感じるナポリであった。