気を取り直して、フィレンツェの街中を歩いてみた。
観光都市らしく、世界中からの観光客で溢れ返っている。フィレンツェの顔とも言えるDUOMO(大聖堂)やヴェッキオ宮殿なども、普通にオープンしていた。バスや市電も動いているし、少なくともここではストライキの雰囲気はまったく感じられない。どうやら今回のゼネ・ストは一部の機関のみと見てよさそうだ。散歩しながら私が知っているいつものフィレンツェを肌に感じ、徐々に緊張がほぐれ、ウキウキ楽しくなってくる。
私はここが大好きだ。
初めてこの街を訪れたのはもう20年以上も前のことだが、あまりの見所の多さ、更には街に漂う歴史と芸術の薫りに魅せられ、滞在を延長してまる一週間も過ごしてしまった。この時に、ほぼすべての観光ポイントを巡った。
その後も何度となくリピート訪問しているが、近年はオペラが目的ということもあり、1泊程度の短期滞在がほとんど。このため、市内のエリアを絞った上で、おさらい観光をしているという感じである。
今回はサンタ・クローチェ教会界隈を中心に回った。ミケランジェロ、ロッシーニ、ガリレオ・ガリレイ、マキャベリなどの墓があり、ジョットが描いたフレスコ画が残っている礼拝堂などを有するこの教会は、いつの間にか参観が有料になっていた。
そういえば、前回に訪れた際に参観したサンタ・マリア・ノヴェッラ教会も有料になっていたっけ。
誰もが自由に入れて参拝できるはずの教会も、今や徐々に有料化が進みつつあるということか。まあ、教会でありながら、実質はほとんどルネサンス美術館のようなものだから、別に構わないけどさ。貴重な文化遺産の保護は、お布施だけでは難しいのだろう。
新しい歌劇場「オペラ・ディ・フィレンツェ」にも行ってみた。
今晩オペラはやるんだろうなー、おい。
だが、建物の外観からは何も伺い知ることが出来ない。
ホテルに戻り、Wi-Fi接続によって歌劇場のHPを覗いてみたが、何のインフォメーションもない。
ということは普通にやるということだろう。
とりあえずひと安心することにし、仮眠を取って夜の公演に備えた。