ウィーンの四日間の滞在が終わり、ここでNくんと別れることとなった。
彼はこの後ミュンヘンに向かい、更にミラノまで足を延ばす。
私はこの後パリに向かい、一泊してオペラを観た後、一足先に日本に帰国する。
当時、私は仕事が忙しかったので、これ以上の休暇を取得することは難しかった。
だが、今考えてみれば、無理矢理にでも休暇を取ってNくんと行動を共にすれば良かったなあ、と思う。
彼はミュンヘンでワーグナーの「マイスタージンガー」を鑑賞したのだ。これは羨ましい。
初演の場所であるミュンヘンでマイスターを鑑賞するのは特別だ。
ザックス役はB・ヴァイクルだったとのこと。この役の第一人者であり、なおかつ一緒に観たサロメで衝撃的なヨカナーンを歌った、その人である。
うーん、やっぱり羨ましい。
ま、それは残念だったが、とにかく私はパリにやって来た。
この日、観光として訪れたのは、パリを代表する美術館の一つ、オルセー美術館。
パリには美術館がたくさんあるが、そんな中でもオルセーは、ルーヴルと並び、別格だ。
フランスが誇る印象派作品の宝庫。印象派が好きな人にとっては聖地。たまらない場所だよな。
私自身は正直に言って、特別印象派好きというわけじゃないのだが・・・それでもここで世界的な名作を巡るのは楽しい。
この時、2度目。これまでにトータルで4回くらい行っているが、訪れる度に心が踊る、至福のひと時だ。
オルセーには、館内にとっても優雅なレストランがある。
なんだか高級フレンチのような華やかさを備えているが、実は敷居はそれほど高くなくて、気軽に入店することができ、人気がある。昼時は、入店待ちの行列が出来るくらい混雑する。
値段はそれほど高くない。(安くもないが)
味は値段相応。(たまたま食べた物の感想だが)
えーと、すまん、20年以上前の記憶による情報なので、最新の状況と違っていたらゴメンね。
「オルセーに行く機会があったら、是非、物は試しで行ってみて!」と言いたいところだが、果たしていつになったら行けるんでしょうか・・・。