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2024/6/8 N響 A定期

2024年6月8日   NHK交響楽団 A定期演奏会   NHKホール
指揮  原田慶太楼
反田恭平(ピアノ)
スクリャービン  夢想、ピアノ協奏曲、交響曲第2番

 

ダブルヘッダーの二発目、N響。なんと、完売公演。
ひええぇぇ~。

いや、これはさすがに反田くんだからですな。
相変わらずすごい人気。スクリャービンで、NHKホールで、ソールドアウトするとは。
もっとも、熱心なファンにとってみれば、彼が弾くのなら何でもいいんだろうけど・・。

私の興味関心は、専らスクリャービン。ピアノ協奏曲も交響曲第2番も、生ではこれまでに1度しか聴いたことがない。このプログラムだったら、反田さんでなくてもN響でなくても、私は行く。

まず、ピアノ協奏曲。
反田恭平、さすがに上手い。技術的に上手いだけでなく、ニュアンスの表現が巧み。表情が多彩なのだ。彼は引き出しをいっぱい持っている。
で、曲の動かし方、頂点への持って行き方などは、ちゃんと指揮者、オーケストラと会話していて、独り善がりになっていないというのも、好印象。

しかしこの曲、配布プログラムの解説では「ショパンの影響が色濃い」と書いてあるのだが、そうなのかねえ・・どちらかというとラフマニノフっぽさが聴こえるぞ。特に第3楽章なんか。
いずれにしても、もっと演奏される機会が増えてほしい作品だと思う。


メインの交響曲第2番。
こちらも、作品の良さを全面に打ち出した爽快な演奏だ。
このところ目覚ましい活躍を見せている指揮者の原田さんだが、そうした進境を頷かせる切れ味鋭い音楽作りである。

若いのでタクトに力があり、動きがダイナミックなのはある意味当然として、感心するのは、自分が踊るのに一生懸命なのではなく、オーケストラが気持ちよく演奏しやすいように、乗せるように盛り上げ、誘導している点だ。オーケストラ側からすれば、「ああいう風に引っ張ってくれると、頑張って演奏しちゃうよね」という感じではなかろうか。
オーケストラが彼を好んで起用するのが、何となく分かる気がした。


それにしても今回の公演では、指揮者、ソリスト、そしてコンマスを務めた郷古さんと、若さがアピールされたフレッシュな演奏会だった。
巨匠の客演が多い保守的なN響だが、これはこれで新時代の幕が明けようとしている感じがした。今月の定期は、BもCもそういう狙いであることは一目瞭然。