クラシック、オペラの粋を極める!

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2024/6/9 ロベルト・アラーニャ テノール・リサイタル

2024年6月9日  ロベルト・アラーニャ テノール・リサイタル   サントリーホール
プッチーニ没後100年 スペシャル・プログラム》
指揮  三ツ橋敬子
管弦楽  東京フィルハーモニー交響楽団
「妖精ヴィッリ」より 幸せに満ちたあの日々
マノン・レスコー」より なんと素晴らしい美人
ラ・ボエーム」より 冷たい手を
「トスカ」より 星は光りぬ
蝶々夫人」より さらば、愛の家
トゥーランドット」より 誰も寝てはならぬ    他

 

アラーニャを聴くのは14年ぶり。
そもそも彼を聴いたこと自体が、これまでにたったの2回しかない。
そうこうしているうちに、もう61歳だという。(6月7日が誕生日だったらしい)
「大丈夫かなあ・・・衰えちゃってないかなあ・・・」
なんて思いながらの会場入りだったが・・・。

第一声を聞いた瞬間、思わず背筋が伸び、瞠目した。
地中海に降り注ぐ陽光のように明るく、伸びやかで、甘くて優しいあの声。
それは、正真正銘、紛れもない、リアル・アラーニャだった!

お姿は、さすがについイメージしてしまう往年の若きプリンスではなかったが、それでもステージに登場した瞬間にスポットライトが当たるかのような眩しさ。笑顔を振りまき、手を振り、まさにスターの振る舞い。多くの女性を含め、長年彼の来日を待ち侘びていたファンは、さぞや歓喜したことだろう。また、待ち侘びたファンだけでなく、オペラマニアたちにも十分に唸らせ、満足させるリサイタルだったと思う。

一通りのプログラム終了後、「それじゃ、アンコールね」といって歌おうとしたら、指揮の三ツ橋さんとオーケストラから「ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー」の演奏と、主催者から花束のサプライズ・プレゼント付き。


ところで、今回のプログラムはオール・プッチーニだったわけだが、チェックしてみたら、ちゃんとオペラ作品の初演年の順に並べてあった。
さすがにすべての作品のアリアをプログラムに網羅させるのは無理かと思いきや、アンコールで、「つばめ」、「外套」、そして最後に「ジャンニ・スキッキ」のテノールのアリアを歌い、なんとまあ、完成させてしまった! プッチーニ全作品制覇である。やるねえ!
(ジャンニ・スキッキのリヌッツィオのアリアを歌う前に、「本当はこの曲は、若い人が歌うんだよね。私はもう歳を取ってるけど・・」とお客さんに冗談話を入れていたのが、面白かった。)