クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

1988/8/15 グリンデルワルト2

初めてのヨーロッパ。経験がなかったゆえ、いろいろと珍しいと思ったこと、「へえー」と思ったこと、あるいは戸惑うことが多々あった。面白い発見だった。

・夜の8時くらいまではぜんぜん明るく、9時くらいでようやく日が暮れていくみたいな感じ。夏のヨーロッパは日が長いんだな。遅くまで観光が出来て、ありがたかったけど。

・レストランやカフェに入り、注文やお会計をお願いする時、すぐ近くにいる給仕を呼んでも、やって来てくれない。テーブルやエリアで担当給仕が決まっているのだ。そんなこと、初めて知った。

・Oくんからのコメントにもあったとおり、炭酸入りの水がある、というのはびっくりした。最初飲んだ時は、一瞬サイダーかと思った。
別にスイスに限らないが、お水はミネラルウォーターとして、スーパーでも売店でもどこでも幅広く売っているが、「炭酸入り」なのか「炭酸抜き」なのかを注意して買わないといけない。もちろんペットボトルにはちゃんと書いてあるが、それを読めるかどうかはまた別問題である。
そもそも日本では、現代でこそすっかり商品として普及したが、この頃はまだあまり流通しておらず、水はタダが当たり前だと思っていたので、お金を払うというのはどうにも納得がいかなかった。

・日本ではお馴染みのアイスコーヒー。レストランでもカフェでもドリンクメニューの中に必ずあるアイスコーヒー。スイスに(別にスイスに限らないが)この飲み物が‘ない’、という事実は衝撃的だった。知らずに何気なく「アイスコーヒー」と言って注文したら、「コーヒーフロート」が出てきた。思わずお口あんぐり。
(近年はヨーロッパでもスタバを中心に普及しつつあるが、それでもまだ広く一般的とは言えない。)

・お会計(支払い)で、チップ分も含めた多めのお札と伝票をテーブルと灰皿の間に挟み、店員に声がけもせずにそのまま悠然と退店していくお客さんを見つけ、「えっ!?そんなことをしてもいいんだ!?」と驚いた。
以後、お会計を頼んでもなかなかやってくれず、待たされた時、私も何度となくこれを真似した。そもそも、お会計したい時、レジカウンターに行ってサッと済ますことが出来る日本は偉大。

・のどが渇いて何か飲みたいと思っても、自動販売機がまったくないんだね。チョー不便。タバコの自動販売機を見つけたのだが、料金が嘘みたいなボッタクリ金額で、何かの間違いかと思った。(タバコの値段は、今、日本も徐々に欧米の値段に近づきつつある。)

・すずめや鳩、その他の身近な野鳥たちが人間慣れしていて、怖がらずにレストランのテーブルに近寄ってきて、あわよくばおこぼれを貰おうとする。スイスは観光客だらけだから、きっと動物にも優しいんだな。こんなに馴れ馴れしい鳥たち、見たことない。

・現地人の手書きの数字が読めない。特に1、4、7は、日本人が書く文字と全然違うのである。数字なんて万国共通だと思っていたのに。
(ちょっと書いてみました。こんな感じ。)

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さて、この日は、前日も行ったクライネ・シャイデックまで登山電車で向かい、そこで有名なユングフラウ・ヨッホ鉄道に乗り換え、ヨーロッパ最高地点の鉄道駅を目指した。昔も今も、ベルナーオーバーラント観光のハイライトだ。

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一つ、心配事があった。
前日は好天に恵まれたが、この日はやや雲が多かった。麓から見上げると、ユングフラウの頂は、見えたかと思えば雲が遮ったりと、安定しない。登ってからの展望が開けるかどうかは、若干、運次第の状況だった。

それでもとにかく行くしかない。滞在日数に余裕があるわけではないので、行ける時に行くしかない。それに、「ユングフラウ鉄道に乗ったぜ」というだけでも、十分な思い出になるはずだ。

乗車時間は片道1時間弱。アルプスの中の岩盤を掘って作った鉄道のため、道中のほとんどがトンネル内。なんだか炭鉱の現場に向かうトロッコ列車みたい。よくまあこんな鉄道を作ったものである。

ヨッホ駅に到着。うえっ、空気が薄い。そして、当たり前だが、夏だというのにめっちゃ寒い。3400メートルだもんな。
見晴らしは・・・イマイチ。
間近の雪の塊だけはよく見えました(笑)。

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絶景の眺望叶わず、長居しても寒いだけなので、未練を残しつつ下山。天気はこの後下り坂となり、やがてポツポツ、ついにピカッ、ゴロゴロ、雷雨に見舞われた。
これ、R・シュトラウスの「アルプス交響曲」に描かれている世界だよなー。まさに体感だな。うんうん。