この日も雪は小降りながら続いている。天気が良ければ行こうと思っていた観光ポイントがあったのだが、これを断念し、代わりにバーゼル市立美術館を訪れた。ここはヨーロッパ最古の公立美術館なのだそうだ。所蔵作品は中世美術から近代まで幅広く揃っている。チューリッヒ美術館といい勝負の充実度だろう。じっくり鑑賞していたら、あっという間に２時間くらい過ぎてしまった。
展示品の中には、もちろん教会の祭壇や宝物なども含まれている。やはり中世美術品が充実しているが、古代の遺跡発掘品から第一次世界大戦を含む近代史、更には１９５０～６０年代の生活用品まで網羅されていて、なかなか興味深い。こちらも一つ一つ見入っていると時間があっという間に過ぎていく。
雪は一向に止まないどころか、降雪量は更に増えて、街中が完全に真っ白に包まれている。雪に不慣れな日本の首都圏だったら、これでおそらく交通網がマヒするだろう。
だが、市内を除雪車が頻繁に走り回り、おかげで市電もバスも何事もなく悠々と走っているあたりは、さすがスイスだ。
中央駅を出ると、目の前に見えるのがＣＯＯＰ。
おお！ＣＯＯＰ！ 庶民の味方、スイスの国民的スーパーマーケット！
夏のルツェルンではお世話になりました。物価が高いスイスでの節約術として、ランチはＣＯＯＰで買い出しし、ホテルの部屋で食べたっけ。
ホテルに向かう前に、おもわずフラフラっと入ってしまった。
本日、チューリッヒ歌劇場のオペラは午後８時開演で、おそらく終演は１１時を回る。そこからレストランを探してのディナーは結構ヘビーかもしれない。
だったら今ここでお惣菜類を買い出しして、オペラが終った後にホテルに戻ってから食べれば、またまた安くあがるかも・・。うっしっし。ナイスなアイデアだ。
店内では食べ物だけでなくアルコール類も物色。ありましたよ、ビールが。
５００mlの缶が１本１スイスフラン・・・
なに～！？ １フラン？？ １２０円だと～！？ 安いっ！！ 安すぎる！
ありとあらゆる物の値段が高いスイスでビールがこの安さ！ 信じられない。なぜ？？
ちなみに、そこら辺の売店や飲食店などで買おうとすると、１本４フラン（約４８０円）するので、つまりスーパーの商品だけが異常に安いのである。
おいおい、これ本当にビールなのか？ 心配になってしまう。
まさか発泡酒か？
ラベルにはBeerとしか書いてないし、仮に発泡酒と書いてあったとしても、ドイツ語でも英語でも分からんしな。
しかも、だ。半ダース６本セットでまとめ買いすると、更にお得で４．８フラン。１本あたり０．８フランで約１００円。うっひょひょーい！
即断即決、セットで購入（笑）。
自分の旅行バックを抱えつつ、ビール６本を含む食料の買い出しの荷物はめちゃくちゃ重かった。でも、得した気分でウキウキ。
ホテルにチェックインして部屋に入ると、あらまあ、ミニバー（冷蔵庫）がない。
まあよい。飲む少し前に窓の外に出しておけばいい。あっという間に冷えるから。なんせ外の気温はマイナス７度だからね。全然問題なーし。
