2週間くらい前のニュースなので、既にネタとしては新鮮さがイマイチだが、世界最高峰のオーケストラ(なんだかんだ言っても)ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の第一コンサートマスターに、日本の樫本大進が就任内定となった。これから一年間の試用期間を経て正式就任の運びとなるそうだ。
今回、長きに渡ってコンマスを勤めていた安永徹が退団したその空席ポストに就任するというのであるから、要するに二代続けて日本人ということになる。
近年、日本にやってくる外来オケを見ても、あるいは海外に行って現地での公演に接しても、今やアジア系の奏者を見つけないことはない。一昔前は、そういう人達はまず日本人だったが、最近は特に中国と韓国の人達がやたら目に付く。
国際コンクールでも同じ事象が起こっている。欧米人を蹴散らして予選を勝ち進んでくるのは中国人や韓国人なのだ。今、世界で最もホットなピアニストはラン・ランだろうし。
これらの状況は、裏を返せば要するに日本の凋落と写るわけで、隣国の躍進に何となくひがんでいたこの頃、樫本大進は久しぶりに胸がすくかのようなニュースだ。
口うるさい掲示板などを覗くと、一部「スポンサー目当て」などといったひがみややっかみが聞こえるが、そんなことを目的として、自分たちの顔とも言うべきリーダーを選ぶほどベルリンフィルもバカではないだろう。このオケ自体が強烈なプライドを持つ集団なのだから。それに現在ジャパンマネーは決して世界を席巻していない。
そういうことで、私は素直にこの快挙のニュースに拍手を送る。彼を讃えようと思う。
かつて、安永さんがベルリンフィルのコンマスに就任してまもなくの同フィルの来日公演を聴きに行ったが、登場してきた安永さんに対して、指揮者(もちろんカラヤン!)に負けず劣らずの大拍手だった。
次回、ベルリンフィルが来日したら、樫本クンの凱旋公演になる。同じような熱狂の拍手が湧くかな?
曲は、どうせまた、ソロの聴かせどころがある「ブラ1」とか「英雄の生涯」とかになってしまうのかもしれないね。
ちょっとこれらは「またかよ!?」って感じでマンネリ気味なので、せめて「ツァラ」、思い切ってシェエラザードなんかを希望しま~す(笑)。