2013年11月18日 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 サントリーホール
指揮 サイモン・ラトル
樫本大進(ヴァイオリン)
プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第1番
ベルリン・フィルはオーケストラ界の巨人である。
いや、あの、プロ野球の球団じゃなくて、そびえるような至高の存在っていう意味なんだけどね。
がたいがデカくて強い。ぶち当たってもびくともせず、跳ね返される。勝てねえなあと思う。向かう所敵なしの最強軍団。
ウィーン・フィル、コンセルトヘボウと続けて聴いてきたが、奏法や音色、響きなどは別にして、迫り来るかのような威圧感はダントツであった。その迫力には恐怖感さえ覚える。ズドーンという地鳴りとともにデカイ足跡を残しながら街を破壊し、蹂躙していくゴジラ。
すべてを制圧して無と化してしまうバケモノオーケストラ。それがベルリン・フィル。
1 シューマン春
このオーケストラは管も打もヴァイオリンもみな超スーパーだが、支えているのはチェロやコンバスといった低弦楽器だということがよく分かる。
2 プロコVn協
ものすごく良かった!感動した!
樫本大進も本当にうまい。こんなにもうまいソリストがオーケストラ奏者の一員であるという事実。もちろんコンマスなので単なるトゥッティ奏者とはわけが違うが、こんなところからも「やっぱりベルリン・フィルは別格」と実感する。
オケの連中もみんな大進クンの演奏をしっかり聴き、理解し、そして全力で支えようとしていた。もうすっかりこのオーケストラの仲間として、リーダーとして受け入れられている。素晴らしいなあ。
3 ハルサイ
バケモノオーケストラの本領発揮。この衝撃を何と言い表せばいいのか?完全に度肝を抜かれた。信じられましぇん。お口あんぐり。オーマイガッ。
今まで私が聴いてきたハルサイはいったい何だったんだろう。ハルサイ風? ハルサイもどき?
本当はこうだったのだ。これは生贄を捧げる音楽なのだ。だから、唸りを上げ、絶叫し、嘆き、叩き、狂喜乱舞するのだ。
それにしてもものすごい音。桁外れ。極限の演奏。別格にして異次元。音の洪水。容赦ない自己主張。もう誰も止められない。誰も手がつけられない。お願いだから、頼むから、もうそれくらいで勘弁してくれー。
指揮のラトルであるが、評価や好みは別にして、本人はきっとこの曲を得意にしているに違いない。指揮姿に自信が溢れている。そしてこの複雑怪奇な曲を完全に手玉に取りつつ、超絶的な上手さを誇るオーケストラをリードして、もう楽しくて仕方がないといった感じだ。そんな楽しそうなラトルを見ているこっちも、また楽しかったりする。
ええぇ~!!
ホントかよー。マジかよー。もうウィーン・フィルでおなかいっぱいだってば。
とか言いつつ結局また行きたくなっちゃうんだよなー。チケット代の出費が恐ろしい。こちらの懐具合も考えてほしいよまったく。