2017年11月25日 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 サントリーホール
指揮 サイモン・ラトル
チン・ウンスク Chorós Chordón
ものすごいコンサートだった・・・。ベルリン・フィルは、やっぱりバケモノだ。
演奏の感想というより、このオーケストラについて語らずにはいられない。
とにかく異次元のオーケストラである。
思っていた・・・過去形だ。
最近はそう思わない。ベルリン・フィルこそ世界最高のオーケストラだと思う。
でも、こと演奏技術、演奏水準に関して言えば、ベルリン・フィルは破格であり別格だ。味わい深さはさて置き(味わい深さこそ重要と主張する人もいるだろうが)、この凄まじいほどの機能美、そして威圧的な音は、天下無双である。
こういうハイパークオリティのオーケストラが、すべての演奏技術をスコアに結集させたような作品であるペトルーシュカをやったら、解釈云々を超越して衝撃的な仕上がりになるのは、ある意味必然である。
「なんでこんなにすごい音がするんだろ?」と思ってステージを見渡せば、そこにはパユがいて、マイヤーがいて、フックスがいて、ドーレがいて、ヴァレンツァイがいる。樫本大進も、なんだかコンマスの風格、リーダーとしての佇まいが出てきた。
その他のトゥッティ奏者の人たちも、演奏中の表情に強烈な自信とプライドがにじみ出ている。
しつこいが、もう一度声高々に言わせて欲しい。
「ベルリン・フィルは、世界最高のオーケストラだ!」
指揮者ラトルがやっていることは、以前からそう思っていたが、「動機付け」だけだ。
オーケストラに対し、「例えば、こんな感じはどう??」みたいにくすぐっているだけだ。
それで十分、それだけで十分、だったりする。
すると、今度はオーケストラの方から「それはやっぱり、こんな感じじゃね??」みたいな音が跳ね返って来る。
そうした時のラトルの満面の笑み!
幸せそうだなあ。
そうしたラトルとベルリン・フィルの蜜月はいよいよ終焉を迎えようとしている。
次、いよいよ天才ペトレンコとの協同関係が結ばれる。
こんなにもすごいコンサートに立ち会い、打ちのめされながらも、「次のペトレンコとの来日が楽しみだなあ」などとワクワクするのは、ちょっと気が早いか。
ご子息と一緒に会場に足を運んだNさん、お疲れ様でした。(やったね!レッズ!)