クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

大野和士

 私は大野和士を応援している。

 我らが小澤征爾が世界最高のオペラハウスのシェフに就任しても、ウィーンでの彼の公演は一度しか行かなかった。
 だが、私は大野を聴くためにこれまでにカールスルーエに1回、ブリュッセルには4回も足を運んでいる。

 正直に言うと、彼の音楽を信奉しているファンであるかと言えばそうではない。私が彼を応援する理由は、並々ならぬ意欲と果てしないチャレンジ魂に強く共感するからである。

 欧州に飛び出していって、ザグレブフィルという小さなオケからスタートし、その後着々と築き上げるキャリアも素晴らしいが、意欲とチャレンジ魂を感じる最たる物はそのプログラミングだ。既に東フィル常任指揮者時代のオペラコンチェルタンテシリーズで、その片鱗を見せていた。シュレーカー、ツェムリンスキー、ヒンデミットヤナーチェクなど、日本でなかなか上演されない演目を紹介していた。
 ブリュッセル・モネ劇場でも、ピーター・グライムズ、ホヴァンシチナ、影のない女、炎の天使などの他、積極的に現代オペラを採り上げている。

 2007年1月に現地で観た「炎の天使」は、R・ジョーンズの卓越した演出も相まって壮絶な名演となり、最初から最後まで痺れっぱなし、鳥肌立ちっぱなしだった。

 更なるステップアップでリヨン歌劇場音楽監督に就任し、何をやるのかと思いきや、いきなりプロコフィエフの「賭博者」ときた。いや~やるなあ。さすが!

 で、リヨンでの第2弾がアルバン・ベルクの「ルル」である。プロコフィエフの次がベルクだぜよ。もう唸るしかないね。こうなったら、行くしかない。

 ということで、今度の金曜日からリヨンに行って来ます。要はそれが言いたかった(笑)。

 ついでに、今秋に予定されている来日公演のウェルテル。これもブリュッセルで観たがとても素晴らしかったので、皆さん是非行きましょう。来月発売らしいよ。Don't miss it!

 やっぱり大野和士からは目が離せないのだ。