クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2014/6/30 リヨン歌劇場管

2014年6月30日  フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団    東京オペラシティホール
指揮  大野和士
合唱  フランス国立リヨン歌劇場合唱団
ルーセル  バッカスとアリアーヌ組曲第2番
ラヴェル  ラ・ヴァルス
ラヴェル  ダフニスとクロエ全曲
 
 
 連日熱戦を繰り広げているワールドカップのテレビ観戦のせいで睡眠時間を削っていたため、睡魔と格闘しながらの観賞だった。やれやれだ。結構楽しみなコンサートだったのに情けない。
 偉そうに感想を語る気にもなれなかったし、鑑賞記をアップする時間もなかったので、そのまま放っておいたのだが、ちょっと気になったので書くことにした。
 
 立派な演奏だったことは間違いないと思う。カーテンコールでは盛大な拍手とブラヴォーに包まれた。ボーっとしていた私はやや蚊帳の外に置かれてしまったが、コンディションが万全だったら、私もきっと感動していたことだろう。
 評判もすこぶる良かった。ネットの色々な情報発信ツールから、多くの人の「良かった」という感想が溢れていた。
 
 そうしたネット情報で目に付いたのが、次のような形容フレーズだ。
「フランスのエスプリ」「繊細な響き」「艶やか」「鮮やか」「輝き」「色彩」「光沢」
 
私は首をかしげる。本当にそういう演奏だった?
それってさあ、思い込みっていうか、宣伝に刷り込まれたというか、イメージに騙されてない?
そういうイメージに囚われて、真に受けて、「さすがフランスのオケ」と言ってしまうのは、ある意味簡単だ。
で、もう一度聞くけど、本当にそういう演奏だった?
 
曲そのものに、特にラヴェルにおいて、色彩的要素が入っているのは認める。そういう響きが聞こえるのは、それはそういう曲だからだ。
 
だからといって、演奏面においてもそうとは限らない。
これまで何十回と大野和士が指揮する公演に足を運んでいるが、彼が作る音楽は決して軽妙洒脱ではない。
彼の音楽の真骨頂は、端正でがっちりとした造形美であり、密度の濃い構成力である。それを高い求心力で頂点に引っ張りあげていく。
フランスのオケから堅実性と緻密性を引き出し、さらに別次元に誘う。これこそがポイントだと思う。
 
睡魔と格闘していたくせに、随分と分かったかのような言い分じゃないかって?
まあね、それを言われちゃうと、ぐうの音も出ないなんだけどね(笑)。
確かに私はボーっとしていたさ。偉そうなことなんか言えません。
でも、寝ていて記憶が落ちたわけじゃない。聴く体制としてはイマイチだったけど、耳は傾けていたつもり。
 
要するに、大野さんの音楽の神髄をステレオタイプで捉えてほしくないというわけです。彼のファンとしてね。
 
昨日に聴いてきたホフマン物語の感想は、また次回に。