クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2019/8/1 PMFオーケストラ

2019年8月1日   PMFオーケストラ   サントリーホール
マトヴェイ・デョーミン(フルート)
ドビュッシー  牧神の午後への前奏曲
イベール  フルート協奏曲
 
 
ところでゲルギーさん、何で日本に来たの?
バイロイトでプレミエのタンホイザーを振っていたところでしょ?
なおかつ、ヴェルビエ音楽祭にも出演したんでしょ?
更に、これからザルツブルク音楽祭でもオペラを一本担当するよね?
 
ホント超人だよなあ。忙しいの、全然オッケーなんだね。慣れっこなんだね。
あるいは忙しいのが好きなんだね。
マグロみたいに常に回遊していないと死んじゃうってか?(笑)
 
客の側からすると、「それでしっかりとしたリハーサルが出来るのか?」とついつい心配になってしまう。
実際バイロイトでは、批判も出たらしい。かつてバイロイトの主だったヴォルフガングさんだったら、こういう指揮者は絶対に起用しなかっただろう。
早くも来年のタンホイザーは別の指揮者が振るとの噂も出回っており、なんだか穏やかではなさそうだ。
 
ただし、この指揮者には強みがある。
尋常ならざる集中力、そしてカリスマ的なリーダーシップだ。これぞゲルギエフゲルギエフたる所以である。
こうした強みは、まさにPMFのような選りすぐりの若手奏者が集うオーケストラで発揮される。バイロイトではどうだか知らないが、今回のPMFの演奏は成功だったと思う。
 
ショスタコの4番は恐ろしいほどの狂気を伴った作品だ。技術的にも音楽解釈的にも、相当難しいはず。
だが、チャレンジングであるからこそ、PMFオーケストラに相応しい曲と言える。
奏者たちは指揮者の強いリーダーシップに導かれ、タクトに機敏に食らいつき、持てる技術を駆使して演奏していた。その瞬発力、爆発力は凄まじい。まるでアスリートのような躍動感。実に清々しく、あっぱれだった。
 
ところでこの日は、後半のプロから、ご隠居された上皇様、上皇后様が御臨席だった。
大多数の国民が、両陛下の長年の御勤めに感謝し、これからはどうかごゆるりと楽しく余生を過ごしていただきたいと願っている。時々、こういうコンサートに出かけられるのは良いことだろう。
 
にしても宮内庁さんよ、鑑賞曲がタコ4で本当にそれで良かったのか??
これ、マニアックでしょう。万人向けじゃないぜ。(私なんかは狂喜乱舞するけどさ。)
大丈夫だったかなあ。楽しまれたかなあ。
心配になってしまった(笑)。