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2019/7/31 バルセロナ響

2019年7月31日   バルセロナ交響楽団(都民劇場)   東京文化会館
指揮  大野和士
マリーナ・ロドリゲス・クシ(メゾ・ソプラノ)、吉田兄弟(三味線)
サントコフスキー  2つの三味線とオーケストラのための協奏曲
ファリャ  バレエ音楽「三角帽子」
 
 
一曲目のローエングリン
開演前のプレトークで、大野さんはこの作品とバルセロナの特別な縁について語っていた。
分かる人は、説明される前からピンとくる。
バルセロナ郊外にモンセラートという場所があるが、その場所こそ、ローエングリン伝説、彼が自らの出自について告白する有名な第三幕グラール語りの中の「モンサルヴァート」の由来になっている、というものだ。
 
プログラムの中に、そうした意味のある曲を織り交ぜる。いかにも大野さんらしい。
 
だが、果たしてオーケストラ側はどうだっただろうか。彼らは日頃からローエングリンを特別な縁の曲と捉えていたのだろうか。
 
演奏を聴いた限り、正直言って怪しい。
所詮はラテン国のオーケストラによるドイツ作品の演奏。よそよそしさ満載(笑)。
ということは、指揮者のこだわりが少々空回りしたってわけだ。
 
まあ別にいい。構わん。この日のハイライトはローエングリンじゃない。ファリャだ。
ファリャこそ、彼らの十八番。特別な縁の曲なのだ。
 
熱い演奏。(もちろん作品そのものが熱いというのもある。)
地中海からの風、降り注ぐ陽光が感じられる。アンダルシア地方の香りが漂ってくる。(おっと、バルセロナはアンダルシアじゃないけどな。)
 
ロシアのオケによるチャイコの演奏、チェコのオケによるドヴォの演奏などと同様、このノリこそがスペイン音楽の基盤なのだ。
 
 
真ん中のプログラムの協奏曲は、久々に笑っちゃうくらいのお化け屋敷効果音、ホラー映画BGMと化した現代音楽だった。
「ほわーっ」「ひゅ~」「プワーン」「シュッッ」「ドタッ」「・・ッテテテ・・」
 
はいはいご苦労さま。