クラシック、オペラの粋を極める!

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2019/5/12 東響

2019年5月12日   ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集   カルッツかわさき
指揮  飯森範親
合唱  東響コーラス、川崎市立坂戸小学校合唱団
ヴィタリ・ユシュマノフ(バリトン
ボロディン  だったん人の踊り
ムソルグスキー  はげ山の一夜(歌劇「ソローチンツィの市」より)
チャイコフスキー  大序曲1812年
カリンニコフ  交響曲第1番
 
 
ちょっぴりマニアックで、凝ったプログラム。これは実に素晴らしい。
本公演は名曲コンサート。普通なら初心者向けの曲が並ぶはずなのだ。
そういう場合、コテコテの愛好家である私は、大抵の公演がスルーなわけだが、これを見つけた時は思わず目が点になった。すかさず飛び付いて、チケットは速攻購入。
 
このプログラムを企画した人、偉いっ。尊敬しちゃいます。
1812年を合唱付き、だったん人の踊りをバリトン・ソロ歌手&合唱付きでやるだけでも「なかなかやるじゃん!」なのに、はげ山の一夜をオペラバージョンで演奏するなんて、画期的以外の何物でもない。あたしゃ初めて聴いたで。すごいじゃんか。
 
で、極めつけがメインだ。名曲コンサートの定番、チャイコの4番とか5番とか悲愴かと思いきや、カリンニコフときた。
ナイスな選曲だよな。この作曲家の名前を知らない人もたくさんいたかもしれないが、交響曲第1番は実は聴きやすいメロディーに溢れた傑作。まさに名曲コンサートに相応しい作品なのだ。
 
というわけで、実に凝ったプログラムであったが、指揮者飯森さんのタクトと音楽づくりは、正攻法そのもの。懇切丁寧で、イントロデュース的な演奏。盛り上げるところは大いに盛り上げ、美しいところは大いに歌わせ、作品の魅力を伝えることに徹していた。それはそれでいいと思う。
いいと思うけど。
けど・・1812年の一番最後で、チューブラー・ベルを思い切りド派手にカンコラカンコラ鳴らしたのは、ちとやり過ぎだと思うがな。作品の荘厳さが消え、パッパラパーになってしまった。盛り上がればそれでオッケーなのか、飯森センセイよ。
 
2017年10月にオープンしたばかりの会場、カルッツかわさき。スポーツと文化の複合施設ということらしい。
ホールはいわゆる「市民文化会館」そのものだが、さすがに新しいので、機能的で快適な空間。今回のように本格的なコンサートだって十分に開催できそうだ。
ミューザがあるというのに。さすが大都市川崎。羨ましいですなー。
せっかく建てたんだから、箱だけ作って中身無しではなくて、是非文化を創造し、魅力あるソフトを提供してくださいね。
 
市民じゃない我々がそんな口出ししてもしょーがないか。