指揮 パーヴォ・ヤルヴィ
ヨハンナ・ルサネン(ソプラノ)、ヴィッレ・ルサネン(バリトン)
実は私は大学生の時、この曲をオーケストラで演奏し、コンサートで披露したことがあるが、なんと合唱付きだった。同じ大学の別サークル「グリークラブ」との共演だった。
いい曲だと思った。
それまで管弦楽のみとしての作品では何とも思わなかったが、この時は「美しい!素晴らしい!」という気持ちが湧いた。
なので、それはやっぱり合唱が付いたことによる威力であり、合唱が付いたことによって特別な作品に変わったのだ。
それから時が経って、ある日突然「合唱が付いたフィンランディアが聴きたい!」という衝動に駆られたことがあった。
CDを探したら、あった。
そう、今回N響定期のために来日した合唱団なのだ。
そのシベリウス集CDには、クレルヴォも含まれていて、その合唱ももちろんこの合唱団。
つまり、パーヴォとはもう既に緊密な関係、音楽作りのベースが出来上がっていたということだ。
フィンランディアはさておき、クレルヴォとなると、特殊な言語の問題もあって「はい、じゃ国内の合唱団を使って」というわけにいかない。だから、滅多に演奏されないレア曲になってしまう。
今回わざわざ来てもらった感があるが、やはりその必要性は高かったと思う。そして、その成果は確実に出たと思う。
パーヴォ・ヤルヴィが首席指揮者だからこそ実現したプログラム。
本当にスペシャルな公演だった。
こういうプログラム、私、大好き。これからも是非やってほしい。(来年2月もまたストラヴィンスキーがあるね。)