金井紀子(ピアノ)、水谷彰良(解説)
この公演の案内チラシを見つけた時、「これはゴールデンウィークとっておきの秘蔵コンサートだ!」と驚愕した。ロッシーニ・オペラの中から選りすぐり、珠玉の逸品がずらっと並んだプログラム。しかも日本のロッシーニ研究の第一人者である水谷彰良氏の解説紹介付き。ロッシーニファンやマニアにとって、こりゃたまらんというコンサートであろう。
こういう公演を実現させるというのが、さすが日本ロッシーニ協会。
更にプログラムにあった紹介を読んでみると、例会はなんと年に8回、これまでにオペラ公演も含めて21回の演奏会を開催しているのだとか。やるなあ、日本ロッシーニ協会。
こういうコンサートでは、ついつい歌手について品定めをしてしまいがち。それぞれの出来不出来が見つかってしまうのは、これはもう仕方がないことだ。
特にロッシーニのアリアはハイトーンやアジリタなど超絶困難な曲が多いので、自ずと露呈するはずである。
ところが、この日はなぜかそういうことが気にならなかった。
出演した皆さんが、実力的に申し分がなかったというのもある。
また、小ホールだったので、歌声が箱いっぱいに響き、それだけで充足感を得られたというのもある。
だけど、やっぱりロッシーニの素晴らしい音楽を堪能した満足感がマックスだったからというのが一番だろう。
つくづく思う。
だが、世界を見渡しても、こうした作品を上演しようという意欲的な劇場は非常に少なくて、ほとんど絶望的。検索をかけても、やっぱり「セヴィリア」、「チェネレントラ」ばかりで、あとはせいぜい「ランスへの旅」、「アルジェのイタリア女」くらい。状況は日本とあまり変わらないのだ。
結局ペーザロに行くしかないということか・・・。
私は夢想妄想する。
ああ、自分が超がつく大金持ちだったら・・・。
札束積んでペーザロに飛んで行き、スポンサーになり、莫大な金に物言わせて提携を結んで毎年「ロッシーニ・オペラ・フェスティバル in JAPAN」を開催する。毎年だ。ペーザロ出演歌手は必ず東京にも出演するという契約を強引に結ばせる。札束で横っ面ひっぱたいてな。
ああ大金持ちになりてえ・・・。