クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2018/8/5 都響(フェスタサマーミューザ)

2018年8月5日   東京都交響楽団(フェスタサマーミューザ)   ミューザ川崎シンフォニーホール
児童合唱  TOKYO FM少年合唱団
 
 
いいコンサートだったと思う。猛暑が続く中、一服の清涼剤となるような清々しく心地よい演奏会だった。
 
ステージ横やや後方の席だったので指揮者がよく見えたのだが、ミンコフスキの表情が「もう嬉しくて嬉しくて仕方がない」という感じだったのが、とにかく印象的。
実際、チャイコフスキーの魅惑的な音楽を作っていくのが楽しかったのだろう。指揮者冥利に尽きるというやつだ。
バレエ音楽だからということもないのだろうが、ミンコさんは踊っていた。まるでくまのプーさんのダンスのようで、なかなか微笑ましかった。
 
今回の公演のためにどれだけリハの時間が設けられたのかは知らない。この日、直前のゲネプロが公開されたとのことだが、どんな指示を施したのかは分からない。
 
だが、あくまでも勝手な想像だが、リハでは楽想をぎっちりと詰め込み、尖鋭的な奏法を要求しながら、本番では束縛せず、大きな広がり感を求めていたように感じた。まるで「指揮者に言われたとおりではなく、自主的に音楽を創造して!感じるがままに表現し、それを解き放って!」と言っているかのようだった。
 
ミンコフスキは、ただ踊っていたのではない。起こっていることに細心の注意をはらいつつ、音楽の到達地点を示して、そこに仕向けるリードをしていたのだ。その効果はてきめんだったと思う。
 
こうしたことが可能になったのも、都響との信頼関係が出来上がっていたからだろう。このオケなら大丈夫、やれる、と見込んだ故に、そこに美しい絆が生まれた。
清々しく心地よい演奏会だったと感じられたのは、純粋な音楽面だけでなく、指揮者とオケの良好な関係の成果が出たからだったに違いない。