クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2019/2/2 新日本フィル

指揮  マルク・アルブレヒト
ブルックナー   交響曲第5番
 
 
アルブレヒトは、これまで海外で、彼が振った公演を5回鑑賞している。すべてオペラ。
最近では、昨年5月にオランダ国立歌劇場(彼が同劇場の首席指揮者)でのグレの歌、同じく8月にエクサン・プロヴァンス音楽祭でのナクソス島のアリアドネなど。
一番古いのは1994年のザクセン州立歌劇場(ゼンパーオーパー)でのボエーム。この時30歳だというから、かなり若い頃からキャリアの形成をスタートさせていたようだ。
 
日本にも何度か来日して国内オケを振ったことがあるようだが、私は聴いていない。つまり、オペラではなくコンサートでは、アルブレヒトを聴くのは今回が初めて。
 
昨年の上記2回の公演は、いずれも強い印象を残しているので、どういうタクトなのかについては、知っていた。基本的にバトンテクニックに秀でている指揮者である。カッコいいかどうかは別にして。
睨みを利かせながらテンポを刻むのではなく、すべての表現をタクトで導き出すタイプ。
 
たぶんリハでも綿密な作業を行っていることが伺える。指揮者の「ここはこうしてほしい」がちゃんと演奏の中で聞こえるからだ。
なので、きちんと「アルブレヒトブルックナー」として整っており、指揮者としてやるべきことをやった成果については、聞き手としてまずは受け止めたいと思う。
 
だがその成果は、好みという部分で評価が別れるかもしれない。
音楽がサクサクと進み、重厚さとは無縁だからだ。聴き慣れないブルックナーで、結構「マジか!?」って感じ(笑)。本人に言わせれば、「いやいや、マジだぜ」なんだろうけどさ。
 
新日本フィルの演奏は、普通に好演。ただし技術的な精度については、もう一つ上のレベルに行ってほしい。