2018年10月1日 NHK交響楽団(NHK音楽祭) NHKホール
指揮 パーヴォ・ヤルヴィ
合唱 新国立劇場合唱団、NHK東京児童合唱団
オリガ・ペレチャッコ・マリオッティ(ソプラノ)、マックス・エマヌエル・ツェンチッチ(カウンター・テナー)、ベンジャミン・アップル(バリトン)
オルフ 踊る牧神、カルミナ・ブラーナ
パーヴォさんのカルミナは、正直に言って私の好みではなかった。
好みだけで言うのなら、もっと青春のほとばしりのごとく、弾けた演奏がいい。羽目を外した演奏がいい。
だって、そういう曲でしょ、これ。
シンプルな和声、シンプルなリズム、単純なリピートの構成パターン。
素直にダイナミックにパンチを効かせた官能的な演奏が一番効果的だと思う。
パーヴォ&N響の演奏は、なんだか真面目で優等生のようだった。
もうちょっと音楽的な言葉で付け足すと、ディティールの演出に神経を使い、バランスの取れた響きにこだわりを見せるものだった。音楽の造形としては、輪郭がはっきりし、明晰さを備え、構築的だった。
でも、好みの問題はさておき、そういう演奏を私は否定しない。
なぜなら、それはパーヴォの確固たる解釈であり、音楽表現であるからだ。
それに、真面目で優等生のようであっても、音楽に活気が失わなれなかったのは、救いであり幸い。N響の演奏力のおかげなのか、それとも作品そのもの潜在力のおかげなのか。
ペレチャッコの澄んだ歌声は魅力的で癒やされた。アップルの歌い方はちょっとクセがあったが、演技力も駆使して会場を沸かせた。ツェンチッチは2010年ムーティ指揮東京・春・音楽祭の「カルミナ」でも歌ってたっけ。
オルフのもう一曲の踊る牧神は、日本初演だったそうだが、つまんねー曲だったなあ(笑)。
これまで日本で演奏されなかったのも分かる。
ていうか、オルフは「カルミナ・ブラーナ」この一曲がすべて。他の作品は別になくてもいいんじゃね?(笑)