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2015/2/7 N響A定期

2015年2月7日   NHK交響楽団 A定期演奏会   NHKホール
エルガー  チェロ協奏曲
マーラー  交響曲第1番
 
 
「ついにN響の黄金時代がやってくる!!」
 
・・と、演奏直後はやや興奮気味にそう思ったが、一夜明け、ちょっと冷静になって、とりあえず「・・かも!?」としておこう(笑)。
 
 ただ、その予感をさせるに十分な演奏だった。この公演のためにどれほどのリハーサル時間が与えられたのかは知らないが、限られた時間の中で、次期首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィは瞬く間にN響の特徴を掴み、そのサウンドを自らのものにし、「このやり方で突き進む」と指し示した。
 N響も最大級の献身でこれに応える。この指揮者と共に歩むことで、また一つ違う次元に向かうことが出来るかもしれない。新たな時代を切り拓くことが出来るかもしれない。多くの奏者がそう感じ取ったのではないだろうか。
 こうして両者の思惑と目指すべき方向性が一致し、そこに鮮やかな化学反応が起きた。演奏側にとっても聴き手にとっても、新しくも珍しくもない古典のような名曲が、瑞々しい新鮮な曲に蘇った。
 
 大変興味深いことであるが、マーラーの音楽からヤルヴィ自身の語りが聞こえた。オーケストラを通じて、自らの解釈を語っているかのようであった。
 なぜこれが興味深いかというと、マーラーの演奏では大抵の場合、マーラーの語り口が聞こえてしまうからである。マーラーの音楽とはそういうものなのだ。作曲家ががんじがらめに縛り、有無を言わせない。付け入る隙がほとんどないのだ。
 にも関わらず指揮者の語りが聞こえるのは、作品の潜在パワーを上回る説得力がそこにあるからだ。2008年6月のhr交響楽団来日公演におけるマラ9の演奏もそうだった。
 
 この日、2015-16シーズンの演目が発表され、就任披露となる10月の定期演奏会では、今度は2番復活を振る。マーラーとヤルヴィの対決(?)は今後も続いていく。
 
(コンチェルトに関してのコメントが書けなかったが、ま、いいでしょう。)