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2017/2/17 N響C定期

2017年2月17日   NHK交響楽団 C定期演奏会    NHKホール
諏訪内晶子(ヴァイオリン)
シベリウス  ヴァイオリン協奏曲
 
 
ヤルヴィのショスタコーヴィチ、とてつもなく精巧だ。ミリ単位の演奏を聴いているかのようだ。これまで私が聴いてきたタコ10とは完全に一線を画する。
ゲルギエフフェドセーエフ、抑圧に対する抵抗の音だった。インバルやラザレフ、豪快かつ怒涛の魂の叫びだった。
ヤルヴィ、作曲当時の背景や作品に込められた訴えというものが見えない。あたかもそこには無関心を装っているかのよう。冷静で客観的かつ分析的。ひたすらスコアの解析に全力を傾けている。
 
一方、N響N響で、おそらく欧州遠征の勝負曲だからだと思うが、最大級の技術を注いでいる。
 
だから精巧な演奏は必然。完成度は非常に高まった。
 
ヤルヴィは、オーケストラの特性、個性を見抜き、長所を引き出すことが出来る指揮者。N響だからこういう演奏になったとも言えそうだ。つまり、ヤルヴィがN響の実力を最大限に引き出し、N響はそれに応えたということだ。
 
実力が最大限に発揮されたN響は、かなりいい線行くと思う。是非欧州で日本の技術を見せつけてきてほしい。
 
あとは「技術は高いが、中身がない」などと言われないことを心から祈るのみ・・・。