指揮 パーヴォ・ヤルヴィ
諏訪内晶子(ヴァイオリン)
シベリウス ヴァイオリン協奏曲
ヤルヴィのショスタコーヴィチ、とてつもなく精巧だ。ミリ単位の演奏を聴いているかのようだ。これまで私が聴いてきたタコ10とは完全に一線を画する。
ヤルヴィ、作曲当時の背景や作品に込められた訴えというものが見えない。あたかもそこには無関心を装っているかのよう。冷静で客観的かつ分析的。ひたすらスコアの解析に全力を傾けている。
だから精巧な演奏は必然。完成度は非常に高まった。
ヤルヴィは、オーケストラの特性、個性を見抜き、長所を引き出すことが出来る指揮者。N響だからこういう演奏になったとも言えそうだ。つまり、ヤルヴィがN響の実力を最大限に引き出し、N響はそれに応えたということだ。
実力が最大限に発揮されたN響は、かなりいい線行くと思う。是非欧州で日本の技術を見せつけてきてほしい。
あとは「技術は高いが、中身がない」などと言われないことを心から祈るのみ・・・。