ウェーバー 魔弾の射手
指揮 アレホ・ペレス
大沼徹(オットカール)、米谷毅彦(クーノー)、嘉目真木子(アガーテ)、冨平安希子(エンヒェン)、清水宏樹(カスパール)、片寄純也(マックス)、金子宏(隠者)、石崎秀和(キリアン)、大和悠河(ザミエル)
ベストプレーヤーはザミエルの大和悠河で決まり。
オペラなのに、二期会なのに・・・。
でも、これが正直かつ真っ当順当なジャッジメント。
元宝塚のトップアーティスト。存在感が図抜けていた。
とにかくオーラがある。華がある。身も蓋もないけど、体のスタイルがそこらへんの人間と根本的に違う。舞台に立つと燦然と輝く人物。
ゴシックニュースで彼女の派手な生活、セレブリティを見たことがあって、「なんじゃこいつ」と思っていたが、今回、「なるほどな」と納得してしまった。選ばれし人なのだ、彼女は。ヨーロッパ的に言えば神に祝福された人なのだ。
その際立った存在に、その他の方々、本来の意味での主役である歌手が束になっても叶わなかったのは残念としか言いようがない。
ていうか、仮に元宝塚のトップアーティストがいなかったとしても、音楽的に大きな満足感を与えてくれた歌手が少なかった。今回は、全体的なレベルにおいて、申し訳ないけど「もう少しがんばりましょう」だったと思う。ドイツ語もなんだかいかにもジャパニーズだったし。
辛口ですまん。
読響をしっかりと導き、芯のある音を引き出していた指揮者ペレスは良かったと思う。
コンヴィチュの演出については、「別にー」って感じ。
ハンブルク上演版を映像で既に見ちゃっているのでね。
彼の演出プロダクションは、ネタバレされた途端、一気に鮮度を失い、賞味期限切れで色褪せてしまうのが、決定的な弱点。
唯一良かったのが、ハンブルクでは男性が演じたザミエルに大和悠河を起用した点で、そのことについては上記のとおり。(ザミエル役の起用で、ハンブルクと変えてきたのは、コンヴィチュニーのニューアイデアだったのだろうか、それとも日本の制作側、舞台監督側からの進言だったのだろうか?)
これだったら、神戸の方に行った方が正解だったかも。最初から「帰国したばかりだから」という理由で断念したが、そうでなければ神戸に行ってたと思う。