クラシック、オペラの粋を極める!

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マケラ時代の到来か?

都響を振るため、ただいま来日中のクラウス・マケラ。若干26歳のフィンランド出身の若手指揮者に、今、全世界から注目が集まっている。
今月、2027年シーズンから名門ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者に就任することが発表されたのだ。

マケラと言えば、24歳でオスロ・フィルの首席指揮者に就任したと思ったら、すかさず国立パリ管弦楽団音楽監督のポストもゲット。「おいおい、なんだかすごい勢いだな」と思った矢先のビッグニュースである。

26歳だぜ・・。
この歳だったら、まだまだアカデミー生だったり、誰か名の通った指揮者のアシスタントに付いて勉強中だったりの年頃じゃないか。指揮者の世界ではひよっこ扱いのはずだ。
それが、パリ管にコンヘボときたもんだ。もう世界を掌握しちゃう勢いじゃないか。
いいのか、それで。大丈夫なのか。そんなに優秀なのか。

世の中というのは、いつの時代もどの分野でも、常に天才、ヒーロー、ライジングスターの登場を待望している。若くて、活きが良くて、溌剌として、そしてカッコいいヤツが旋風を起こす。我々はそういう現象にいつも心踊らされる。

一方で、その中に「天才ともてはやし、宣伝して、ブームを起こし、注目を集め、そして一儲けしてやろう」と企むプロモーターの狡猾な戦略と思惑も、必ず潜んでいる。

果たして彼は本当に本物なのだろうか。

そんなマケラが都響を振る。なんというタイミング。
プログラムは2つ。マーラー6番、ショスタコ7番という、スケールがデカくて、なおかつ一筋縄ではいかないアグレッシブな作品だ。うわー、勝負に来てる。こんな曲やられちゃったら、行かずにはいられないではないか。

都響との共演は二度目。初共演となった2018年の公演を私は聴き逃しているが、評判はすこぶる良かったらしい。都響も「この若者、もしかしたら只者じゃない」と感づいたのだろう。こうしてすぐに再度の招聘に至った。

チケットの売行きは絶好調のようで、マーラーの方は完売した模様。
もちろん純粋な都響ファンだったり、単純に曲に惹かれてチケットを買った人も多いだろうが、この指揮者の台頭ぶりに目を見張りながら「どんなもんじゃい、よっしゃ聴いたろ」と思った人も一定数いることだろう。かくいう私もその一人。

マケラ旋風はまだ続きがある。この秋にも、今度はパリ管を率いて再来日するのだ。
クラウス・マケラ、この指揮者の動向から目が離せない。

それにしても、フィンランド、次から次へと指揮者を排出するなあ。