クラシック、オペラの粋を極める!

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2016/10/21 新日本フィル

指揮  ハルトムート・ヘンヒェン
合唱  栗友会合唱団
松田奈緒美(ソプラノ)、池田香織(アルト)、松原友(テノール)、久保和範(バス)
 
8月のバイロイトパルジファル」現地観賞、そして先日その中継録画放送を視聴したこともあって、指揮者ヘンヒェンにはちょっとした思いを抱いていた。
今年は、5月にもコヴェントガーデンで彼のタンホイザーを聴いているので、なんと三度目である。
 
ただし、個人的に特別な思いがよぎる公演であっても、世間一般的には決してそうではないようだ。
会場はガラガラ。
平日で、しかも「誰もが知っている」とは決していい難いプログラム。指揮者について「バイロイトへの電撃デビュー、そして大成功!」と宣伝しても、さしたる効果は得られなかったようだ。ま、それは仕方がないよな。
 
そのヘンヒェン、構成された曲の中で、指揮棒を持つ、持たない、を使い分けていて、面白かった。彼の‘やり方’なのであろうか。
タクトには力が漲っていて、渾身と言えるものだ。作品からエネルギーを放出させようとしているのは明白。終盤にかけてどんどんと盛り上がっていき、フィナーレは圧巻であった。
 
ただし、大変残念ながら、オーケストラには若干の物足りなさを禁じ得なかった。新日本フィル、しばしば感じる事なのだが、タクトへの反応、感度が弱いのである。「指揮者がこう振っているのに、なんでそういう音になってしまうのか?」というギャップをどうしても感じてしまう。不慣れな作品だからなのだろうか・・・。
 
ソロ歌手についても同様で、アルトの池田さんを除き、物足りなさが残る。音符を捉えることについて自信がないように感じたし、音楽の中の役割や位置づけが明確でないとも感じた。
 
結局、総合的な感想は「なかなか聴けない作品を聴けてよかったな」である。
うん、そうだ。そうやって前向きに捉えよう。お金を払ったのだから、何か得られるものを得ないとね。
 
実はヘンヒェンについては、個人的に続きが予定されている。
来年3月。リヨン。
まだ、予定だけどね。