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2018/4/15 東京・春・音楽祭(合唱の芸術シリーズ)

2018年4月15日  東京・春・音楽祭 合唱の芸術シリーズ   東京文化会館
指揮  スペランツァ・スカップッチ
合唱  東京オペラシンガーズ
エヴァ・メイ(ソプラノ)、マリアンナ・ピッツォラート(メゾ・ソプラノ)、マルコ・チャポーニ(テノール)、イルダー・アブドラザコフ(バス)
モーツァルト  交響曲第25番
 
 
びっくりした。またもやノーマークから衝撃的な名演が飛び出した!
女性指揮者のスカップッチ。まったく知らなかったが、私は彼女の非常に推進力のあるタクトに目と耳を奪われた。
 
モーツァルトからして、「これは只者ではない!」と感じた。
タクトはダイナミックで男性的。音楽とオーケストラを意のままに操っている印象。出てくる音は短調なのに生き生きとして瑞々しく、快活。久しぶりにスカッとする充実感に満ちたモーツァルトだった。
 
後半のロッシーニはもっとすごかった。
この指揮者、合唱や歌手の歌わせ方、響かせ方を十分に心得ている。まだ若手の部類だと思うが、ウィーン国立歌劇場にもデビュー済らしいし、リエージュ王立歌劇場の客演ポストも持っているようだし、そうした経験が存分に役に立っているように見える。
合唱とオケとソリストのバランスが良く、ポリフォニーの構成に一切の揺らぎがない。ソリストたちのアンサンブルの作り方は精妙であり、全体的に大きく鳴り響かせるところは高揚感に溢れている。ロッシーニらしい流れるような旋律とテンポがとにかく感動的だった。
 
演奏後、あちこちからブラヴォー、ブラヴィーが飛んだが、やっぱり皆さん感じるところは一緒だったようだ。
 
もちろん名演の誕生は、指揮者だけの功績ではない。オケ、合唱、ソリストのそれぞれの素晴らしさが見事に融合した結晶そのものである。
だが、東京オペラシンガーズにしても、各ソリストしても、その実力は既に定評があって折り紙付き。
ということで、今回は「新たな才能の発見」ということで、個人的にやっぱり指揮者を称えさせていただきたい。