2024年も終わりに近づく中、既に各プロ・オーケストラは2025年シーズンのライン・ナップを発表し、着々とネクストに目を向けている。
来年はショスタコーヴィチの没後50周年という記念年であり、例年以上に各オケがショスタコーヴィチ・プログラムを入れているのが、タコ・ファンとしては嬉しい限り。
特に、都響が積極的なのが目立つ。ショスタコーヴィチの演奏は高い出力が求められると同時に、演奏効果も得やすいので、きっと「名演!」と叫ばれる公演も多くなるだろう。
その都響は、2026年3月にブリテンの「春の交響曲」を大野和士指揮の下で演奏する。
3度目の正直である。
2020年、2022年と、既に2回コロナの影響で公演が中止に追い込まれた。今回ようやくという形。ブリテンの隠れた名曲なだけに、私を含めマニアの期待は大きい。大野さんの執念も感じる。
実は来年は、ショスタコーヴィチと同じくブリテンも没後50年。捲土重来のナイスなタイミングが見つかった感じだ。
来シーズン、最も意欲的なプログラムを並べてきたのが、東響。
指揮者J・ノットの音楽監督契約最終年ということで、まあ「これでもか!」とばかりに取り上げる作品がハンパない。
4月ブルックナー「8番」、7月ブリテン「戦争レクイエム」、9月バッハ「マタイ受難曲」、11月マーラー「9番」・・・。超大曲のオンパレード。唖然(笑)。
ハイハイ分かりました、有終の美を見届けますよ~。
いつものとおり、手堅い・盤石・安定のライン・ナップを出してきたのが、読響、N響。
ニューフェイスとして、読響にケント・ナガノ、N響にフィリップ・ジョルダンが客演するのが目玉。
最近、K・ナガノはスペイン国立管弦楽団の首席指揮者兼芸術監督に、P・ジョルダンはフランス国立管弦楽団の首席指揮者に、それぞれ新たに任命されたことが発表されたばかり。世界で活躍する指揮者の日本客演は待ち遠しい。
もちろん、K・ウォン率いる日本フィル、高関健率いるシティ・フィル、佐渡裕率いる新日本フィル、三頭体制の東京フィルも、存在感を発揮しようと躍起になっている。
ちょうど先日、アメリカ在住のTKさんから「なかなか東京のような選択肢はない」というコメントを頂戴したが、確かにこれだけのオーケストラがしのぎを削り、百花繚乱状態の東京は恵まれているのかもしれない。その恩恵には大いに与りたいものだ。
来年も、たくさんの名演に出会えますように。