
ベルリンを象徴する建造物の一つ、連邦議会議事堂。そのてっぺんに現代的なテラスを設けて公開したら、途端に人気観光スポットとなった。以前に訪れた時は、確か1時間くらい入場待ちした気がする。さんざん待たされて入ってみた後の感想は、「別に1時間並ぶほどのものではないわな」だった。
現在、時間指定の入館許可証を事前にネットで予約出来るようになった。長時間待ちの必要がなくなった。ならばもう一度訪れてみようと考えた。何を隠そう前回の時はカメラを持参せず、写真を残していなかったのだ。


敷地内にズラリと並んだ直方体の石のモニュメント。全体を見渡せば墓石のようにも見えるし、一つを見れば棺のようにも見える。高さはそれぞれ異なり、それはあたかも虐殺された一人ひとりの人生の長さのようにも見える。

敷地内の地下にある情報センターには、ナチスによって迫害されたその写真や記録がパネル展示されている。
亡くなった、というより殺されたユダヤ人たちのリスト。それぞれの名前の横に生年と没年が記載されているのだが、生年が様々なのに対し、没年がほぼ1940年から42年の間に集中している。強制的に人生が終了させられたことを示すものであり、恐ろしさを物語る。