クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2002/4/25 ベルリン2

ベルリン二日目。
ベルリンのランドマークの一つ、カイザーヴィルヘルム記念教会。

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第二次世界大戦での空爆によって建物が一部損壊したが、そのまま保存され、旧教会として今も戦争の傷痕を後世に伝えている。

その真横に新教会と鐘楼が建てられた。
そのこと自体はいいのだが、何だか普通のビルディングみたいで、味気ない。ちょっと景観的にいかがなものか・・・。
ウィキペディアで調べたら、やはりというか、構想や設計段階から論争が起こり、結局妥協の産物になってしまったのだという。

それでもベルリンっ子は、旧教会を「虫歯」、新教会の鐘楼を「リップスティック」とあだ名付け、なんだかんだ言っても親近感を寄せているようだ。

この教会の付近で毎年盛大なクリスマス・マーケットが開催されていたが、2016年に、そこにトラックが突っ込み、多くの死傷者が出た痛ましいテロ事件が発生したのは、まだ記憶に新しい。


同じくベルリンのランドマークの一つ、ブランデンブルク門。観光でベルリンにやって来た人が必ず訪れる場所。
残念ながら修復中だった。
が、写真をご覧になってほしい。

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工事用のカバーに描かれた絵。広告を兼ねた粋なデザイン。こういうところに、なんつうか、ヨーロッパ人のセンスみたいなものを感じるわけである。日本人と違うんだよな。

ポツダム広場に移動した。
この界隈は、第二次世界大戦でかなりのダメージを被った場所で、負の遺産にしようという図らいがあったのか、戦後もしばらくは残骸を放置したままになっていた。私が初めてベルリンを訪れたのは1994年だが、その時のポツダム広場には、まだそうした残骸の一部が残っていた。

8年後の今回、改めて訪れてみると、残骸はきれいに片付けられ、それどころか、すぐそばに「ソニーセンター」という近代的な複合商業施設が出来上がっていた。

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ドイツの発展と繁栄の象徴、新しいベルリンの顔の役割を担うこの施設の建設に、日本の代表的企業が出資し、そのままネーミングライツを得るというのは、なんだか嬉しいような、「ドイツさんよ、魂まで売るなよ」と嘆かわしいような、複雑な心境になったことを覚えている。

その後、ソニーは同センターを保有・運営する子会社の株式を売却し、撤退。今度は、日本経済の衰退を象徴するかのような悲哀のニュースを、我々日本人は耳にするのであった。

施設内に設立された映画博物館を見学。
あんまり面白くない展示だったという記憶だけが今も残っているが、世界三大映画祭の一つと称されるベルリン映画祭の一コマだと思って見学すれば、もしかしたらもう少し印象が違ったのかもしれない。
ちなみに、この年の2月に開催された映画祭の出品コンテストで、最優秀賞となる金熊賞を受賞した作品は、宮崎駿監督の代表作の一つ「千と千尋の神隠し」であった。

同じくこのソニーセンター施設内には、なぜかバイエルン風のビア・レストランが入っていて、美味しいビールをたらふく飲むことが出来る。
このレストランを発見し、入店して以来今に至るまで、私はベルリン・フィルを含むフィルハーモニーホールでのコンサート鑑賞後の食事は、必ずここなのだ。