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2016/2/12 ブニアティシュヴィリ ピアノリサイタル

2016年2月12日  カティア・ブニアティシュヴィリ ピアノリサイタル  浜離宮朝日ホール
リスト  三つの演奏会用練習曲より「軽やかさ」、超絶技巧練習曲より「鬼火」、ラ・カンパネラ、ハンガリー狂詩曲第2番  他
 
 
かねてより噂に聞き、気になっていたブニアティシュヴィリを初めて聴いた。
目を引くのは、彼女の選曲。鋼鉄のタッチが必要な作品群。高度な技術と力強さの両方が求められる、男のプログラムだ。
 
本人も、テクニックには相当の自信があるのだろう。猛々しい曲の数々を、目も眩むかのようなピアニズムで次から次へと制していく様は、まさに圧巻。客席から「ひょえ~」といった舌を巻く唸り声。
 
私自身の印象としては、かなり「本能の赴くままに」という感じ。情熱的だが、アルゲリッチとは特徴が異なる。特に一曲目の展覧会の絵は、既存スタイルに囚われない自由奔放さが目立つ。弾いている姿からはものすごく集中しているように見えるが、音楽の本質を探っているといより、作品に内在するエネルギーを発散することにひたすら没入しているかのよう。
 
面白さと危うさの両極端が同居し、それが交錯するピアニスト。現時点では面白さの方が上回り、「もの凄い演奏を聴いちゃったな」で満足できたが、はたして今後はどうだろうか。