指揮 シルヴァン・カンブルラン
アンジェラ・ヒューイット(ピアノ)、シンシア・ミラー(オンド・マルトノ)
酒井健治 ブルーコンチェルト
仕事の影響で開演時間に間に合わず、1曲目を聴き逃した。
ま、トゥーランガリラが聴きたくてチケットを買ったわけなので、別に損した感もないのであるが。
以下の感想はトゥーランガリラのみということで。
読響は来年3月にカンブルランと共に欧州演奏旅行を予定していて、この日のプログラムで勝負するそうだ。演奏旅行が本番だとするならば、この公演は事実上の公開リハーサルと言えなくもない。
ならば、いつもよりも入念な下ごしらえが伺えるかもしれないし、気合いの入った演奏も期待出来るかもしれない。
結果は予想どおり。力が漲った渾身の演奏だ。華美でありながら派手になりすぎない。響きは明晰なので、大音量でもうるさいと感じない。全体の構成を考え抜きながら音楽を進行させていくので、長大な曲であっても退屈しない。
さすがはカンブルラン、作品を完全に手中に収め、コントロールは万全かつ完璧・・・と言いたいところだったが・・。
もうとにかくタクトを振りながらスコアにかぶりつき状態。顔を上げられないほど。シロウトが傍目で見ると、汗だくの必死って感じ。
まさかなあ。カンブルランほどの名指揮者がメシアンで悪戦苦闘なんてことはないと思うのだが。得意中の得意なはずだし、読響とこの曲を演奏するのは初めてじゃないし、何と言っても演奏旅行の演目に採り上げるくらいだし・・・。
きっと単にそのように見えただけだろう。そもそも棒の振り方は問題じゃない。出てくる音楽が良ければそれでオッケーということで。
ピアノを担当したヒューイットが好演。ものすごくセンスの良さを感じる。多彩なニュアンスが絶妙で、作品を飾り立てていた。ただ、いちいちポーズを決めるかのような弾き方は、あれはちょっとどうですか皆さん?(笑)
オンド・マルトノは・・・うーん、よく分からん。楽器の特性による演奏効果があることは全然否定しない。でも演奏者をピアニストと同列の主役扱いにする必要が本当にあるのだろうか。珍しい楽器のお披露目だけのような気がするのだが・・。
何はともあれ、演奏旅行の大成功、お祈りします。結構イケるんじゃないかと思うけど。