クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

国歌について

 昨日は国名について書いたので、ついでに国歌についても。
 ワールドカップのおかげで、色々な国歌を聞くことが出来る。必然的に強豪国の国歌は聞く機会が多いので、そうした国のメロディはすっかり覚えてしまった。
 
 ナショナルアンセムセレモニーはオリンピックにもあるが、オリンピックの場合、表彰式で掲揚される国旗とともにしみじみと聞くのに対し、ワールドカップでは戦いに挑む前の母国の誇りをかけた士気高揚の手段になっているので、選手たちの闘志が感じられて結構ジーンと来る。
 特に、今大会ブラジル戦でのブラジル国歌には感動した。おそらく「長いから」という理由で、流された録音の音楽は途中でカットされてしまうのだが、選手も、そしてスタジアム内のブラジル人観客も、お構いなしでアカペラで最後まで歌い続けた。これが超ド迫力だった。エースのネイマールなんか、感激して涙を流していたほどだ。
 
 様々な国歌を聞き比べて、私が個人的に気に入っているのはポルトガル。カッコイイと思う。サビの部分は勇ましくて、こうした試合前の斉唱にピッタリだ。
 カッコイイという点では、フランス国歌もメロディは結構イケてる。歌詞が血なまぐさいのが玉に瑕だが、フランス語を理解しない外国人はメロディだけで好き嫌い判断してもいい。
 スペインも耳に心地よく分かりやすくていい曲だと思うのだが、こちらは歌詞がない音楽だけの国歌だ。このため、他の国の選手が高らかに誇らしげに歌うのに対し、スペイン代表選手はじっと耳を傾けるだけ。
 歌詞があって歌える方が団結感が得られていいんじゃないかと思うのだが、当のスペイン人にとってはどうなのだろう。スペインの国自体が民族や言語の複雑な問題を抱えているので、歌詞を作るにしてもそう簡単にはいかないのであろうか。
 
 最後に、思わずニンマリ、そしてちょっぴりクスっとしてしまう国歌がある。ウルグアイだ。
 言っておくが、悪い意味も蔑む意図もまったくない。
 どういうことかというと、クラシック音楽ファンならどこかで聞いたことがあるような、まるでロッシーニオペラのような音楽なのである。特に前奏なんかそっくり。私なんか、もうこの曲を聞いただけで思わずウルグアイを応援したくなってしまうのである(笑)。
 
 本当はものすごく長い曲なのだそうだ。きちんと歌い通すと5分以上かかるらしく、大抵は短略バージョンで済ます。
 以前にウルグアイで開催されたサッカーのホームゲームのナショナルアンセムセレモニーで、地元の歌手が短略バージョンではなく本格的に歌ったところ、あまりの長さに相手国(コスタリカ)の選手がしびれを切らして、まだ終わっていないのにウォームアップのためにピッチに散ってしまったという笑えるエピソードがある。
 
 次のウルグアイ戦では、是非国歌に耳を傾けよう!