クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2016/12/19 羽田空港にて

まさか本当にそうなるとはね・・・。

羽田空港に向かう途中、電車の中でぼんやりと考えた。
「クラブ・ワールドカップで来日したチーム、帰国便が一緒になるなんてことは・・・ないかなあ。さすがにレアル・マドリードはないだろうさ。だけど、3位になった南米代表のアトレチコ・ナシオナルとか、どうよ。」

ゲート前の待合室は、そのアトレチコ・ナシオナルの選手、チーム関係者、サポーターで溢れていた。思っていたことが現実化し、思わず笑ってしまった。

おそらく搭乗者のおよそ三分の一以上(感覚的には半分くらい)が、彼らだったと思う。とにかく、周辺は右も左もスペイン語スペイン語スペイン語・・・。

選手たちも一緒だったのはさすがに驚いた。

一番喜んだのは、彼らを応援するためにはるばる地球の裏側からやってきたサポーターたちだろう。なにしろ憧れのスターたちが、自分たちと一緒にそこにいるのだから。
彼らは選手を見つけ、捉まえては、記念撮影をせがみ、着ているレプリカユニフォームにサインをねだっていた。(飛行機に乗る時でもみんなレプリカを着ているというのが、すごい。サポーター魂、ここにあり。)

選手は一目でわかる。体格がよく、トレーニングウェアを着用し、みんなイヤフォンをして音楽を聴いている。そっとしてほしいのだろうけど、記念撮影を求められれば決して断らず、素直に応じている。サングラスをしている選手も、その時は外してカメラに向けて笑顔を作る。
偉いなあ。さすがプロだなあ。カッコいいなあ。

そんな和やかな風景をぼーっと眺めている私。海外サッカーに関心があるのだから、この光景は素敵だ。

だがいかんせん、アトレチコ・ナシオナルについて、まったくと言っていいほど知識がないのが寂しい。
コロンビアのチームなんだよなー。ブラジルとかアルゼンチンとかじゃないんだよなー。本拠地どこよ?あ? メデジン? 知らん知らん。どこだよそこ。
選手だって一人も知らない。だからにわかファンになってサインを求める気にもならない。自分の目の前にいる選手が、国際的に有名なプレーヤーなのか、それとも控えのベンチメンバーなのかさえも分からない。

っていうかさ・・・。

その前にあたしゃ諸君に言いたいのである。猛烈に言いたいのである。
「おまえらさ、南米代表だろ? ブラジルやアルゼンチンの強豪チームを打ち破ってここに来たんだろ? だったら開催国枠出場の鹿島アントラーズに負けてんじゃねえよ!」

頼むぜ。ホント頼む。
俺っちは浦和レッズファンなのだ。レッズファンにとって、鹿島アントラーズというのは、常に立ちはだかる憎きライバルなのだ。本当なら、年間勝ち点なら浦和が優勝なのに、チャンピオンシップで下剋上しやがって。それでちゃっかり出場したクラブ・ワールドカップで決勝に進み、レアルといい勝負をしやがって・・。
許せん。もう絶対に許せん。

かくして怒りの矛先を目の前のコロンビアチームに向けるハポネス中年オヤジ・・。

搭乗の時間になった。
選手たちは、さすがのビジネスクラス。一方のエコノミークラスには、サポーターどもがひしめき合う。
友人と席が離れてしまった隣のヤツが「あそこにいる彼と席を交換してもらえませんかねえ?」と声をかけてきた。スペイン語は分からんが、身振り手振りで何を言っているのか分かった。窓側の席に座っているその友人クンが、ニコッと笑顔を寄こしてきた。

「ノーノー、ソーリー、ノー。」
あのね、こちとら予約の段階でいち早く通路席を確保してんだよ。わりいけど譲るわけにいかないんだよ。

それよりも、だ。おまえらさあ、なんで鹿島に負けてんだよ? あ?

どうもすみません、しつこくて。